[JM:03363] Re: 著作権に関係する検討

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matsuand michi****@gmail*****
2022年 3月 14日 (月) 11:12:05 JST


matsuand です。

On Mon, Mar 14, 2022 at 10:10 AM 長南洋一 <cyoic****@maple*****> wrote:
>
> 長南です。
>
> 皆さんの議論からずれているかもしれませんが、私の考えを書いておきます。

まず返信頂いた内容につき、
全般に亘って意見表明や状況確認をいただき、
感謝すると同時に、大変「上から目線」の表現に
なってしまいますが、好意をもって評価いたします。

強いて申しますに、諸々の状況は、ほぼほぼ
すべて「プロジェクト憲章を作成すべき」という
matsuand の意見に集約できるものと思います。
プロジェクト憲章と言わないまでも、本プロジェクト
の総意としてコンセンサスを採ることを意味しますが
そのコンセンサスが得られれば、それはすなわち
プロジェクト憲章が書けるということにつながります。

個々のすべてを網羅的に指摘することはできません
が、プロジェクト憲章に結びつける論を記しておきます。

> ○ コピーライト表示について
...
> 著作権を放棄・譲渡したい場合は (それが日本では有効であれ、無効であれ)、
> ヘッダの適当なところに、その旨はっきり書いておくのが、一番わかりやすい
> のではないでしょうか。

著作権の譲渡は割と面倒な法的問題を含んでいるため
(具体的にはあまりに法律専門的すぎて詳述できませんが)
その方向はあまり考えない方がよいと思います。
すべて共同著作権者として扱われることを憲章に記せば
事足りると思います。

> ○ 著作権について
...
> まとめて平たく言えば、「書いた人に敬意を払う」ということでしょう。
> その一点さえ押さえておけば、著作権の問題は、大筋では間違えないのでは
> ないかと思っています。

残念ながらその点だけでは不十分で、先にも書いたとおり
編集、改訂、(再)頒布、等々を(無償)許諾する旨を
現行著作者が合意していなければなりません。
プロジェクト憲章に書いて、それを受容することを条件
とすれば実現できます。

> ○ 当プロジェクトのような共同作業における著作権の緩和
>
> ただし、このプロジェクトのように、共同で何かをする場合には、すこし
> 違うところがあります。上の 1) は、変わりません。しかし、2) と 3) に
> ついては、「ある条件」のもとでは、前の人が書いた文章を使用することや、
> それを変更することを認めることになります (盗用や改竄とは見なさない)。
> そうしなければ、翻訳の引き継ぎも出来なければ、訳文の改善も出来ないからです
> (もちろん、まったくゼロから訳しても構いませんが)。
...
> 私としては、こうしたことは、訳者の引き継ぎを想定している当プロジェクト
> のようなところでは、暗黙の了解事項だと思っていました (一種の紳士協定)。
> そして、ここ十年ほど、そのように行動してきました。

直前の指摘にも含まれる考え方ですが、
引き継ぎが出来なくなる点や改善ができなくなる点が
存すること、暗黙の了解事項、紳士協定といったことは、
著作権侵害の訴えに対する対抗要件とはなり得ません。
希望的観測でそう願っているだけにすぎない内容です。
であるからこそ、プロジェクト憲章です。


> 当プロジェクトでは、既成の訳文の再利用と変更を認めるのですから、実のところ、
> 著作権の放棄や譲渡には、あまり意味がないのではないかと思います。

訳文の再利用や変更を認める権限は、当プロジェクトには
ありません。(そんな強権的なプロジェクトはどこの社会にも
存在しえないと思います)
その権限はあくまで著作者のみに存在します。

「あまり意味がない」とする後段部分ですが、
申し訳ないですが、これはどこに行っても通じない論と思います。
提訴されたら簡単に敗訴するだけです。

> ○ 翻訳履歴について

この件はプロジェクト憲章とは離れます。
翻訳履歴を書くべきとするお考えに関してですが、
私は面倒だから反対です。今の世において
そんなことをする必要を感じません。なぜなら
我々は git システムを使っているからです。
git log を見れば一目瞭然で、誰が何を
したか、どの文面がどの文字が誰の変更に
よるものか、そして極論すればその変更改修
によって著作権の帰属が(共同)著作者の
うちの誰に及ぶか、など、完璧に判明する
はずだからです。
ご存知ですか? ソフトウェアによっては
ChangeLog の記述内容を git log の
出力結果で代用しているものもあるくらい
ですよ。

以上です。ありがとうございます。


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