DRAC5経由でのCentOS 5のインストール

 PowerEdge 1950を例に、DRAC(Dell Remote Access Controller)5経由でCentOS 5をインストールしていく手順を紹介します。

Red Hat Enterprise Linux互換のCentOS

 デル(Dell)では、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)をサポートしており、RHEL5のプリインストールも選択できるようになっています。RHELの互換OSであるCentOSは、フリーのLinuxの中でも、とくに問題なく導入できる可能性が高いものです。フリーのLinuxを選択したい場合、無難な選択肢になります。

インストールに必要なもの

 DRACが利用できるのなら準備は簡単です。本体のほかに、PCとイーサネットケーブルがあればインストールできまます。  ここでは、DRAC5とRAIDコントローラのPERC 5/i(2.5インチSASディスク×2)を装備したPowerEdge 1950と、作業端末としてWindows VistaのノートPCを使っていきます。作業端末側の対応環境は、Windows上のInternet Expolorer(IE)か、Linux上のFirefoxです。Windows上のFirefoxではうまく動作しないので、注意してください。

必要なもの

  • PowerEdge 1950本体
  • ノートPC(Windows&IEもしくはLinux&Firefox)
  • イーサネットケーブル

PowerEdge本体の準備

 とくに作業はありません。

ノートPC上での準備

 ノートPC側ではインストール元イメージをダウンロードしておきます。CentOS 5は、以下から入手できます。

イーサネットを接続

 PowerEdge 1950とノートPCをイーサネットケーブルで接続します。イーサネットコネクタ同士を直接繋ぐ場合、通常はクロスケーブルを使うのですが、最近の機器ではクロスとストレートを自動判別できますので、そのまま繋ぐだけでOKです(PowerEdge 1950とThinkPad X61sで確認)。PowerEdge 1950側は、背面の左端のコネクタに接続します。

 なお、電源ユニットを2台装備している筐体では、どちらか一方しか電源を接続していないと、フロントのインフォメーションがオレンジ色になり、アラートメッセージが表示されます。インストール作業中はこのままでもとくに問題ないでしょう。通常時はブルーで発光します。

DRAC5のWebインターフェイスに接続

 準備ができたら、PowerEdge 1950に電源ケーブルを繋ぎます。電源ケーブルを接続すればDRAC5が使えるようになるので、ノートPCのWebブラウザからアクセスします。  DRAC5のデフォルトIPアドレスは、192.168.0.120固定です。そのため、ノートPC側もこの192.168.0.*のゾーンに合わせてIPアドレスを指定します。  具体的には、Windows Vistaの場合は、「コントロール パネル\ネットワークとインターネット\ネットワーク接続」から「ローカルエリア接続の状態」のプロパティを開き、

「インターネット プロトコル バージョン4(TCP/IPv4)」のプロパティを開きます。  ここで、IPアドレスを「192.168.0.121」(121の部分は0、255および120以外の任意の数字)に設定し、サブネットマスクを「255.255.255.0」と設定します。  以上で、IE7を開き、「https://192.168.0.120/」にアクセスすると、DRACのインターフェイスに接続できます。

インターネットに接続しながらだとDRACに接続できない(ルーティングテーブルがおかしい)

 Windows操作端末でネットワークポートが2つあり(無線とEthernetなど)、片方をインターネットに接続、片方をPowerEdgeに接続しようとした場合、Windowsのルーティングテーブルを正しく設定していても、192.168.0.120にアクセスしたつもりが、インターネットに飛び出していて接続できない状態になります。これはInternet Explorerの接続自動設定によって、独自にルーティングが書き換わってしまうためです。これを回避するには、インターネットオプションの「接続」タブで、「ローカル エリア ネットワーク(LAN)の設定」「LANの設定」でボタンを押し、自動構成のところにあるチェックを外します。

Vista&IE7での対処