PowerPointで聴衆を苦しめるのはもうやめよう:印象的なプレゼンテーションを行うためのテクニック

 著名な業界人の講演を拝聴しようと、ITスタッフたちが熱意を持って真面目に会議室に座っている。聴衆にはスライドのコピーが配られている。やがて部屋が暗くなり、講演者が壇上に上がった。そして最初のスライドが表示された直後、聴衆の目はどんよりと曇り、ついさっきまでとはまるで別の感じになってしまった。彼らは黙って座っているが、話を聞いているわけではない――講演者の話す内容を理解しているのではなく、声が聞こえているだけなのだ。彼らは眠気と戦うことに必死になり、コミュニケーションは崩壊する。彼らは自分自身で気付かないまま、論理と退屈さの狭間にある世界に入り込んでしまった。その世界では実質的なコミュニケーションは存在せず、あらゆる意味での生産性が失われる。その世界とはすなわち、PowerPointゾーンだ。

セキュリティの基本原則:最小権限という概念とその実装

 最小権限の原則とはコンピュータセキュリティにおける基本概念の1つだが、今日その重要性は通常のシステム管理だけでなく、ソフトウェアの設計段階においてもより大きな意味を有するようになっている。この原則の骨子は、プロセスやシステムおよびソフトウェアコンポーネントに関して与えるアクセス権限は必要最小限のものだけにしておけ、という意味である。そしてセキュリティの専門家であり、EnGardeというセキュリティ強化型GNU/Linuxディストリビューションを開発しているGuardian DigitalのCEOでもあるDave Wreski氏によると、この原則はフリー/オープンソース系セキュリティソリューションと組み合わせることで特に有用に機能するはずだということになる。実際この原則は、ソフトウェア設計者の間で再び注目を浴びつつあるのだ。この原則を正しく理解しておくことは、各自が管理するネットワークのセキュリティ強化に役立つだけでなく、絶えず進化を続けるコンピュータ世界におけるニーズの変化を補足していく上でも有用に寄与するはずなのである。

2000億行もの負の遺産――COBOLコードの近代化はどのように進めるべきか

 プログラム開発者というものは最先端テクノロジを好むものであり、プログラミング言語、開発環境、開発ツールなどはいずれも最新のものを使いたがる傾向にある。実際、プログラミング関係の参考書やコンファレンスはどれも、Java、Ruby on Rails、C#、Ajaxなどのタイトルで目白押しだ。ところがコンピュータ業界においても“表沙汰にしたくない裏面”というものが存在し、現在社会の根幹を支えている多くのアプリケーションにおいて、COBOL、Fortran、Assemblerなどの旧世紀の遺物的コードが未だ使い続けられていることが最近新たな問題と化しているのである。

ソーシャルネットワーキングで鼻つまみ者にされる11種類の行為

 今日のビジネス環境におけるソーシャルネットワーキングの重要性は、ここで言及するまでもないだろう。上手く使いこなせれば、自分の人脈の形成に活用したり、仕事に関する情報を事前にキャッチすることができるはずである。私同様にコンサルタント業で生計を立てている者であれば、この業種における収入の75から100%がネットワーキング活動に関係していることに得心してもらえるだろう。逆に言うとネットワーキング世界での立ち居振る舞いを誤ることは、業務上の手痛いしっぺ返しないしは致命的なダメージとして跳ね返ってくることを覚悟しておかなければならない。

アナリストによる調査報告の意味

 有名なニュースサイトが最近、米国と欧州の企業がWindows Vistaの導入を控えて、その前バージョンであるWindows XPの使用を継続していると報道した。同じ週、別の有名ニュースサイトはVistaを採用する企業数の爆発的な増加が見込まれているという記事を掲載した。皮肉なことに、どちらの記事もForrester Researchによる同じ調査結果に基づくものだった。ではどちらの記事が正しいのか? 実は、どちらも正しい。

IT関連で読むに値する5冊の推薦図書

 現在はインターネットを探索すれば洪水のような情報が入手できる時代であり、AmazonからはKindleという電子書籍リーダーがリリースされたばかりだが、書籍という旧態依然とした手で押し広げる紙の束に愛着を抱き続けている人間が多く残されているのも事実だ。そうした中には、贈り物リストの候補なり自腹で購入するべきIT関連の良書を探している人間もいるだろう。よって本稿では、読むに値するいくつかの推薦図書を紹介することにする。

非正社員によるセキュリティリスク

ITマネージャーにとって注目すべき調査結果が発表された。英国のIT情報サイト「The Register」で報じられた、セキュリティ企業Websense社による最近の調査結果である。それによると、非正社員の80%以上が、社内のドキュメント、データ、ネットワークにアクセスできるが、正社員と同レベルの責任は課せられていないというのだ。

予算不足でプロジェクトを頓挫させないための心得

 ITプロジェクトマネージャ(以下PM)が職務の遂行上で遭遇するトラブルは、予算の不足、スケジュールの遅延、テクニカル的な障害、プロセス上の問題、感情的な対立など、その一部を挙げるだけでもきりがない。このうち予算の不足はPMが経験する最も普遍的な問題であり、これを解決するキーポイントは具体的な問題点が何処にあるかを特定することにある。その次の手順は、候補となるいくつかの対策を講じることであり、可能であれば予算不足そのものを解消する手段を見つけるという運びになるはずだ。

ITマネージャがAndroidに注意を払わなければならない5つの理由

 この1週間ずっとデータセンターに缶詰になっていたのでなければ、Googleの最新の事業のことは先刻ご承知だろう。Androidというオープンソースの携帯電話プラットフォームのことである。2年以上前にGoogleが謎めいた携帯電話ソフトウェア会社を買収したときには、Googleはそのうち携帯電話事業を始めるつもりだろうというのが大方の見方であった。憶測が熱狂に達したとき、Googleは携帯デバイスのオープンスタンダードを普及させたい旨を告知し、それを推進するためにAndroidを発表した。

ITマネジャーがITILの導入を躊躇する10の理由

米国においては、欧州や日本に比べると、「ITIL」(Information Technology Infrastructure Library)への取り組みが少々遅れていた感がある。だが、ここにきてブームに火がつき、トップダウンでのITIL導入が急速に進もうとしている。その一方で、こうした状況の変化に直面したITマネジャーならびにIT部門の中には、ITILの導入を巡ってさまざまな不安にさいなまれる人も出てきた。本稿では、そうした不安の正体を明らかにするとともに、それを払拭する方法を提示することにしたい。

IT業界で給与と手当の交渉を行う7つのヒント

 仕事のオファーをもらった初日はあらゆる喜びに包まれることだろう。もちろん、安定した生活への道も拓かれる。しかし、オファーをもらって興奮するあまり、その詳細の入念なチェックをつい怠りがちになる。また、多くの人はオファーの内容は確定していて交渉の余地はないと思っているが、大抵の場合、そんなことはない。実は、確定済みと思えるオファーでさえ、ある程度の融通は利くのが普通だ。

重複除去によるバックアップ手法を最大限に活用する

 最近、カリフォルニアで大規模な森林火災が発生しているが、そうした地域に存在する何百というデータセンタやIT部門は大丈夫なのだろうかと思うのも無理はない。報道によれば2,100を超える建物が被害を受け、その中には多くの企業も含まれているという。大半のIT部門の災害対策プランには、耐火金庫内のテープにデータを毎晩保存する、定期的にサイト外のストレージ施設にデータを転送するといったバックアップ手法が含まれているが、ドキュメント、電子メールプログラム、メディアファイルから収集するデータの量が多いほどバックアップデータの冗長性も高くなる。バックアップ中に不要なデータまで保存していると、ストレージ空間と予算はたちまち枯渇してしまう。無駄なストレージ領域の消費を安心して減らし、コストを削減する方法はないのだろうか。まさにそれが重複除去(deduplication)だ。