オープンソース後初のメジャーリリースとなる「Swift 3.0」が登場

 米Appleは9月13日、プログラミング言語Swiftの最新版「Swift 3.0」を公開した。オープンソースプロジェクトとなってから初のメジャーリリースとなり、多数の強化が加わっている。

 SwiftはObjective-Cの後継とされているプログラミング言語で、2014年に発表された。高速、安全、インタラクティブなどの特徴を備え、Apple製OS向けフレームワーク集である「Cocoa」「Cocoa Touch」をサポートし、Appleの統合開発環境(IDE)「Xcode」で開発できる。2014年秋に正式版がリリースされ、2015年12月にオープンソースとなった。ライセンスはApache License 2.0。

 Swift 3.0は2015年6月に発表されたSwift 2.0に続くメジャーリリース。2系では6月にバージョン2.3をリリースしている。

 コアの言語と標準ライブラリの両方を強化した。そのため、Swift 2.2および2.3とソースの互換性がない点を留意している。大きな変更点は2つで、1つめとしてC/Objective-CのAPIをSwiftにマッピングするClang Importerを改善した。Objective-Cのファンクション、型、メソッド、プロパティなどの名前をSwift APIのデザインガイドラインと密に連携させることを図った。2つめとしては、APIガイドラインを標準ライブラリに適用した。

 このほか、コレクションとインデックスで新しいモデル導入、Objective-C軽量ジェネリクスのインポート、Memberのインポート、ブーリアンプトロコルの削除、NSError Bridgingの改善など、多数の強化や修正が加わった。Swift Package Managerも初の公式リリースとなった。

 Swift 3.0は、同時に公開した「Xcode 8.0」で利用できる。Xcode 8.0ではコードマイグレーションのツールも加わっており、ソース変更に必要な作業を自動的に行うという。LinuxではUbuntu 14.04/15.10向けのバイナリも用意する。

Swift
https://swift.org/