「OpenBSD 6.0」が公開

 BSD系UNIX OS「OpenBSD」の開発チームは9月1日、最新のメジャーリリース版となる「OpenBSD 6.0」を公開した。セキュリティ関連やARMサポートなどが強化されている。

 2011年11月に初めて公開されたバージョン5系からのメジャーリリースとなる。OpenBSDではリリース時に「リリースソング」を毎回公開しているが、本リリースのリリースソングは「Another Smash of the Stack」、「Black Hat」、「Money」、「Comfortably Dumb (the misc song)」、「Mother」、「Goodbye」となっている。

 Linuxのエミュレーションサポートがセキュリティ強化を理由に削除された。このほかにもsystraceやユーザーマウントオプションのサポートもなくなっている。SYNフラッド攻撃に対抗するため、管理者はハッシュアレイのサイズを変更できるようになった。

 armv7プラットフォーム対応の強化も行われた。EFIブートローダーが加わり、FATまたはEXTファイルシステムに代わってFFSからU-Bootヘッダなしにカーネルを読み込めるようになった。カーネルも修正され、単一のカーネルとramdiskですべてのSoCに対応するようになった。また、静的なテーブルに代わってFlattened Device Tree(FDT)経由でハードウェアが動的にエミュレートされるようになった。一方で、VAXのサポートは削除された。

 スレッドライブラリがシングルスレッドプロセスに読み込みできるようになり、libcにおけるシンボル処理と標準遵守も強化した。 ftsでのno paths/empty pathの処理も強化した。このほか多数の改善が加わっている。インストーラー、IEEE 802.11をはじめネットワークスタック、ハードウェアサポートも強化した。

 各種ツールもアップデートされ、LibreSSL 2.4.2やOpenNTPD 6.0、OpenSSH 7.3、OpenSMTPD 6.0.0などが利用できる。また、LibreOffice(5.1.4.2)、Firefox(45.2.0esr、47.0.1)、Thunderbird(45.2.0)などのパッケージも更新された。プログラミング/言語環境としてはPHP 7.0.8/5.6.23/5.5.37、Ruby 2.3.1など、Go 1.6.3、Lua 5.3.3など、Rust 1.9.0、R 3.3.1、Python 1.8.7.374/2.0.0.648/3.4.5/3.5.2、Node.js 4.4.5などが提供される。

 OpenBSDはプロジェクトのWebサイト経由でパッケージ、インストール用のISOイメージなどを入手できる。ライセンスはBSD License。

OpenBSD
http://www.openbsd.org/