「OpenMandriva Lx 3.0」リリース

 The OpenMandriva Associationは8月13日、同組織が開発を主導するLinuxディストリビューション「OpenMandriva Lx 3.0」を公開した。対応アーキテクチャはx86_64およびi586。プロジェクトのWebサイトより入手できる。

 OpenMandrivaはMandriva Linuxの終了を受けて2012年に立ち上がったフォークプロジェクト。Mandriva Linuxの前身であるMandrakeの流れを汲む。

 OpenMandriva Lx 3は、2015年6月に公開された「OpenMandriva Lx 2014.2」に続くもので、本バージョンよりバージョン表記が年数ではなく番号に変更された(2014.2は2014年に公開された2014.0系のポイントリリース)。

 Linuxカーネル4.6.5を採用するが、Linuxカーネル4.1.8の変種で高性能デスクトップ向けに最適化を図った4.1.18 nrJQLも利用できる。また、デフォルトのコンパイラがGCCからLLVM/clang 3.8に変更された。メインのリポジトリにあるパッケージの90%以上がLLVM/clangを利用しているという。コンパイラ変更のメリットとして、GCCとの互換性が保たれる点やコンパイルが高速になりメモリ消費が減る点、オブジェクトコード生成を改善できる点などを挙げている。

 デフォルトのinitシステムにはsystemd 231を採用し、Xorgは1.18.4、Mesaは12.0.1にアップグレードした。Waylandについては、バージョン1.10.0ベースのディスプレイ技術を使ったシェルの開発を進めているという。

 デスクトップはKDE Plasma 5.6.5をサポートするほか、xfce4(バージョン4.12)やLXQt(バージョン0.10)などほかのデスクトップ環境の最新版も利用できる。なお、KDE Plasma Desktopの利用には、OpenGL 2以上をサポートする3Dグラフィックカードが必要。LibreOffice 5.2やFirefox 48、Chromium 52などのデスクトップ向けソフトウェアも提供される。また、QtWebEngineをベースとしたWebブラウザ「Quipzilla 2.0.1」も利用可能。qemuやdocker、virtualboxといった仮想化技術もサポートされる。

 ハードウェア関連ではNVIDIA、ATI、Intelを始め各種グラフィックカードのサポートを強化した。インストーラも強化し、UEFIなし・ありの両方で起動とインストールが可能。インストーラーフレームワークCalamares 2.3を利用できるようになった。そのほかgnupgのバグやFirefoxプラグインの不具合といった、さまざまなバグ修正も行われている。

The OpenMandriva Association
https://www.openmandriva.org/