「Docker 1.11」が登場、オープンなコンテナ規格「OCI」のサポートが取り込まれる

 米Dockerは4月13日、「Docker 1.11」をリリースした。オープンなコンテナ規格であるOCI(Open Container Initiative)のサポートが導入され、これによってコンテナランタイムが「runc」や「containerd」などに分離されるといった変更が行われている。

 Docker 1.11は2月に公開したDocker 1.10に続く最新版。Dockerとしては初めて、Linux Foundation下で進めるコンテナ標準化の取り組みであるOCIの成果を取り込んだ。DockerはCoreOSなどとともに2015年6月にOCIを立ち上げている。

 OCI仕様に準拠したコンテナランタイムツール「runC」やrunCを制御するAPIを提供する「containerd」などが新たに導入された。従来コンテナの管理や起動などを行っていたDocker Engineからコンテナ管理機能がcontainerdに切り離され、またコンテナの実行はruncが行う形になる。いっぽうでユーザーはこれまでと同様、dockerコマンドでコンテナに関する各種操作を行える。将来的には、Docker Engineは他のコンテナ実行バックエンドを指定できるようになるという。これにより、ランタイムがプラグイン的に選択できるようになるとしている。

 また、containerdの統合によりコードベースを整理し、古くからあったバグを多数修正した。内部プロセスのやりとりが増える一方で、性能はさらなる改善を図ったという。Docker 1.11は前バージョンと比較して、コンテナを同時に作成する速度が速くなったとしている。

 このほか、ネットワークではDNSラウンドロビン型のロードバランサ機能が新たに実装された。これによって、Dockerだけでコンテナ間の負荷分散を実現できる。またVLANの実験的サポートや、IPv6サービス発見システムを導入した。ネットワークやボリュームにラベルを付加する機能も追加されている。

 Docker 1.11はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

Docker
http://www.docker.com/