Linuxカーネル追跡システム「SystemTap 3.0」リリース

 Linuxカーネルの振る舞いを動的追跡する機構「SystemTap」の開発チームは3月27日、最新版「SystemTap 3.0」を公開した。

 SystemTapは実行中のLinuxカーネルの情報収集を簡素化するインフラで、動的にモニタリングすることで性能や機能面での問題診断を支援するとしている。コマンドラインインターフェイスと命令を記述するためのスクリプティング言語を備え、動作中のカーネルとユーザー空間アプリケーションに対して追跡が可能。サンプルスクリプト、スクリプトライブラリ「Tapセット」などを提供する。ライセンスはGPLv2。

 SystemTap 3.0は、2012年10月に公開された2.0に続くメジャーアップデートとなる。フロントエンドでは、インタラクティブなモニターモードを実験導入した。「stap -i」コマンドで利用が可能になる。このモードではコマンドラインプロンプトが表示され、そこでスクリプトを作成したり、それを実行/編集することが可能になる。また、UNIXのtopコマンドに似た「–monitor」オプションも導入された。動作中のモジュールに関する情報を見ることができるという。また、stapコンパイルサーバーに、サーバーに回されたstapクライアントのオプションのログを収集する機能が加わった。

 スクリプト言語では、連想配列を最適化し、性能を強化した。nextステートメントを利用してモジュールランタイム時に機能を多重定義できるようになった。このほか、新しいサンプルも加わり、Tapセットも改善が加わっている。

SystemTap
https://sourceware.org/systemtap/