PHP向けのWebアプリケーションフレームワーク「Symfony 3.0」リリース

 Symfony開発チームは11月30日、PHP向けのWebアプリケーションフレームワーク「Symfony 3.0」をリリースした。同日リリースした2系の最新版「Symfony 2.8」から非推奨レイヤーを取り除いたものとなる。

 SymfonyはPHPでWebアプリケーション開発を行うためのフレームワークで、速度と柔軟性にフォーカスし、30以上の再利用可能なコンポーネントを提供するのが特徴。これによってアプリケーションの開発とメンテナンスを効率化できるという。ライセンスはMIT Liceseを採用、開発はフランスSensio Labsが中心となっている。

 Symfony 3.0は2011年に登場したバージョン2.0以来のメジャーアップグレードとなる。メジャーバージョンではあるが新しい機能はなく、2.8から非推奨レイヤを除いたものとなる。対応するPHPのバージョンは5.5.9以降。

 Symfony 2.8では、マイクロサービスとしてSymfonyを利用できるようになり、単一ファイルなど小規模なアプリケーションの構築が容易になった。

 また、セキュリティ関連のコンポーネント「Guard」、「PropertyInfo」などが加わった。Guardは認証のセキュリティサブシステムを簡素化するもので、GuardAuthenticatorInterfaceを実装するPHPクラスを作成することで利用できる。PropertyInfoはDoctrine ORMマッピング、phpDocコメント、PHPタイプヒントなどのメタデータからPHPクラスのプロパティ情報を得ることができるもの。「Console」「LDAP」「Form」などのコンポーネントも強化された。

 このほか依存性注入コンポーネントでサービス定義を簡素化する「Service Auto Wiring」を導入、プロファイラも再設計した。

 これらの機能は3.0にも含まれるが、FormにおけるCSRFオプション、getTimezones()メソッドCsrfProviderAdapter/Interfaceをはじめたくさんの非推奨技術が削除されている。

 開発チームは3.0に合わせて非推奨技術が入っていないかを確認する「Deprecation Detector」ツールを公開しており、バージョン3.0にアップグレードする前に非推奨関連のエラーがでないようにチェックするよう推奨している。2系からのアップグレードガイドも公開している。

Symfony
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