「MongoDB 3.2」リリース、ストレージエンジンの拡張やバリデーション機能を搭載

 MongoDB開発チームは11月3日、最新版となる「MongoDB 3.2」をリリースした。ストレージエンジンの強化、ドキュメントバリデーション機能の導入など多数の機能が盛り込まれている。

 MongoDBはさまざまなデータを柔軟に扱えるドキュメント指向データベース。データの操作やアクセスには独自の方式を利用するため、「NoSQLデータベース」と言われることもある。構造化されたデータを直接扱え、JavaScriptと親和性が高いのが特徴。

 MongoDB 3.2は3月に公開されたバージョン3系の最新版となり、大規模な改善を図った。ミッションクリティカルアプリケーション向けのモダンなデータベースとして利用できるという。

 新たにインメモリ型のストレージエンジンや暗号化に対応したストレージエンジンが導入された。データベースの機能を拡張できるもので、ワークロードに合わせて最適なものを選択できる。複数のストレージエンジンを動かし、同じクエリ言語を活用してメソッドを拡張させるなどの使い方ができる。

 ドキュメントバリデーション機能も加わった。ネイティブなバリデーションをドキュメントにかけることができ、ドキュメントの構造、データ型、データのレンジ、必須項目などのチェックが可能になる。

 部分的インデックスも新機能となる。インデックス作成時にフィルタを設定することで、条件に適合しなかったドキュメントをインデックス対象外にできる。これによってメモリとディスク容量を節約でき、クエリを高速化できるとしている。

 クエリプロファイラも強化され、遅いクエリを識別したり、表示するデータを分析して新しいインデックスの提案を行うなどの改善が加わった。インデックスの運用システムへの自動ロールアウトも可能になった。データとアドホッククエリを視覚化する「MongoDB Compass」も導入されている。

 ビジネスインテリジェンス(BI)とのコネクタ「BI Connector」も導入された。Tableau、Qlikviewなどのツールを統合できるもので、MongoDBに保存されたデータを視覚化でき、これらのツールにより洞察を得られる。

 インフラ側ではconfigサーバーをレプリカで構築するように変更した。また、JavaScriptエンジンはSpidermonkeyに置き換わった。

 管理ツール「Ops Manager」「Cloud Manager」では、バックアップのステップを簡素化したほか、既存のツールやワークフローとの統合が可能になった。新しいAPIを利用してクエリの性能をアプリケーション性能モニタリングツールで表示するなどのことが可能となり、既存のリレーショナルデータベースと並行しての運用が容易になるという。

MongoDB
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