「ownCloud 8.1」リリース、暗号化フレームワークを導入

 ownCloud開発チームは7月7日、オープンソースのファイル同期・共有ソフトウェア最新版「ownCloud Server 8.1」をリリースした。セキュリティと性能にフォーカスした機能強化が図られている。

 ownCloudはセルフホスティング型のファイル同期・共有サーバー。Webブラウザや専用クライアント、WebDAVを利用してのファイルのアップロード/ダウンロードや複数の端末間での同期、ほかのユーザーとの共有といったことが可能になる。無料のCommunity Editionと商用のEnterprise Editionの2種類があり、自分のサーバーでDropboxのようなサービスを運用できる。

 ownCloud 8.1は、2月に公開されたバージョン8系の初のポイントリリース。暗号化機能を強化し、モジュラーフレームワーク「Encription 2.0」が導入されたのが特徴。外部キーの管理が可能となり、ユーザーは自分が利用したい暗号技術を選択できる。暗号化アプリを利用することでストレージ上にあるデータを暗号化でき、伝送中はhttps接続を利用することで安全性とプライバシーを改善するという。

 エンドユーザー向けの機能としては、ほかのownCloudサーバーのユーザーとのファイル共有に利用する際のアドレスとなる「Federated Cloud ID」を導入した。設定画面で確認できる。ほかのユーザーのFederated Cloud IDをアドレス帳に加えることで、自動入力補完機能を使って容易に共有できるという。ドキュメントも改善され、インターフェイスに統合することでユーザーと管理者は容易にこれにアクセスできるようになった。

 ドキュメントのコラボレーション機能「ownCloud Documents」も強化された。最新のWebODFをサポートし、アノテーションのサポートなどの機能が加わったという。

 さらに性能の強化により、同一のハードウェアで処理できるユーザー数がバージョン8と比較して最大50%増加できるという。大規模なファイル同期や、ファイルの移動や削除などのファイル操作についても、最大で4倍高速になったとしている。

 管理者向けとしてはこのほかにも、「Redease Channels」として利用したいownCloudのバージョンを選択できる機能を導入した。

ownCloud
https://owncloud.org/