オープンソースの音楽制作ソフト「Ardour 4.0」リリース、ついにWindowsサポートを実現

 オープンソースの音楽制作ソフト「Ardour」の開発チームは4月18日、最新版となる「Ardour 4.0」をリリースした。Windows対応を実現したほか、オーディオライブラリ「JACK」への依存性もなくなった。

 ArdourはWindowsおよびMac OS X、Linuxで動作する音楽制作ソフト。マルチトラックレコーディングや波形編集、ミキシングなどの機能を持つデジタルオーディオワークステーション(DAW)の1つで、GPLv2で提供されている。

 Ardour 4.0は2013年3月に公開されたバージョン3に続くメジャーリリースとなる。本バージョンではWindowsでも動作するようになった。Windows対応は長年要求の多かった機能で、米Google、米Harrison Consolesらの出資を受けて開発した。ただしWindows版は「Nightly Build」での提供となり、現状ではまだ安定性などで問題が起こる可能性があるようだ。Windowsに関連した問題やWindowsユーザーのサポートについては、現時点では時間や専門知識の点から提供しないとのこと。

 また、オーディオデータの移行やインターフェイスのためのライブラリ「JACK Audio Connection Kit」が必須ではなくなった。新たにArdourを利用するユーザーはJACKサウンドサーバーなしで容易にスタートできるとしている。MIDI I/0ではJACKのほか、ALSA(Linuxのみ)、ASIO(Windowsのみ)、CoreAudio(Mac OS Xのみ)の各バックエンドが利用できるという。MIDI関連機能も強化され、編集やデータ処理、アウトプットのプラグイン処理など多数の改良が加わっている。またVSTプラグインについては、初期設定時の自動スキャンがなくなった。

 このほか、ユーザーインターフェイスの改良なども行われている。ArdourのソースコードはArdourのコミュニティ向けサイトから入手できる。また、バイナリについては1ドルからの有償で提供されている。

Ardour
http://ardour.org/

Ardourのソースコードダウンロードページ
http://community.ardour.org/s/source#repository