「Elixir Report」を使ってクラウド上のデータをグラフ化してみよう

 最近ではSalesforceなどのクラウドサービスを使ってデータを管理しているケースも少なくない。今回は「Elixir Report」を使って、このようなクラウド上にあるデータを表やグラフといった形で出力する方法を紹介する。

クラウド上のデータをデータソースとして利用する

 「Elixir Report」は、さまざまなデータを元に表やグラフを作成し、それをPDFや画像ファイル、PowerPoint、Excelなどの形式で出力できる帳票ツールだ(図1)。

図1 Elixir Reportのレポートデザイナ画面
図1 Elixir Reportのレポートデザイナ画面

 Elixir Reportの特徴の1つに、さまざまなデータソースから表やグラフの作成に必要なデータを取得できる点がある。表やグラフを作成する際、その元データはデータベース内に格納されていることが多い。Elixir Reportではデータベース内のデータにJDBC(Java向けのデータベース接続API)経由でアクセスできるが、それ以外にもExcelやXML、テキスト(CSVやTSVなど)といった形式のファイルやJavaオブジェクトへのアクセスが可能になっている(表1)。

表1 Elixir Reportでサポートされている主なデータソース
データソース名対象とするデータなど
JDBCJDBC(Javaで広く使われているデータベースアクセスインターフェイス)に対応するデータベース内のデータ
ExcelMicrosoft Excel(XLSおよびXSLX形式)ファイル内のデータ
テキストCSVやTSVといったテキストベースのファイル内のデータ
XMLXMLファイル内のデータ
オブジェクトデータソースJavaオブジェクト内のデータ
表形式レポートデザイナ内で作成された表形式のデータ

 Excelやテキスト、XMLといったファイルをデータソースとして利用する場合、そのファイルは必ずしもローカルマシン上にある必要はなく、HTTPなどを使ってリモートサーバー上にあるファイルを動的に取得して使用することが可能だ。これを利用すれば、既存のほかのアプリケーションが出力するデータを表やグラフ化するシステムを容易に実装できる。

 また、Elixir Reportでデータソースとして利用できるJDBCは、サードパーティからさまざまなドライバが提供されている。これらのドライバは、MySQLやPostgreSQL、Oracleといったデータベースにアクセスするものだけに限られず、たとえば特定の形式のファイル内のデータにアクセスしたり、さまざまなアプリケーションやシステムにアクセスするためのものもある。これらを使用することで、さまざまなプラットフォーム内にあるデータをElixir Reportで扱えるようになる。

 今回はElixir Reportでクラウド上のデータをドキュメント化する例として、クラウドサービスであるSalesforce上のデータにアクセスできるJDBCドライバ「CData(シーデータ) JDBC Driver for Salesforce 4J」を使ってSalesforce上のデータを表・グラフ化するというものを紹介する。

Salesforce上のデータをJavaアプリケーションから利用できる「CData JDBC Driver for Salesforce 4J」

 今回使用するCData JDBC Driver for Salesforce 4J(以下、JDBC Driver for Salesforce)は、Salesforce上のデータにアクセスするためのAPIを提供するJava用のJDBCドライバだ。JDBC Driver for Salesforceでは、Javaで広く使われているJDBC APIを使用して、Salesforce上にある取引先データベースや商談データベースなどにSQLでアクセスできる。データの読み取りだけでなく、作成や更新、削除といった操作もサポートされている。

 JDBC Driver for SalesforceはJava(JDK 5.0~8.0)が動作する環境であれば、プラットフォームに関係なく動作する。評価目的で無償で利用できるトライアル版も提供されているので、興味のある方はまずはこちらを試してみることをおすすめする。

今回作成するサンプル

 今回は、Salesforce上のデータを表およびグラフ形式で出力する例を紹介する。Elixir Reportについては『コードを記述することなしにデータを表やグラフとして出力できる帳票ツール「Elixir Report」』記事で紹介しているので、そちらを参照してほしい。

 各種作業では、Elixir Reportのレポートデザイナおよびレポートサーバーの全機能を制限無しで利用できる無償のトライアル版を使用した。トライアル版のライセンス申請はGrapeCityのElixir Reportページから行える。また、作業に使用したOSはWindows 7 Professional(64ビット)だ。