英Canonical、OpenStackディストリビューションのベータ版を発表

 Linuxディストリビューション「Ubuntu」を開発する英Canonicalが10月28日、OpenStackディストリビューション「Canonical Distribution of Ubuntu OpenStack」を発表した。ストレージ、ソフトウェア定義ネットワーク、ハイパーバイザーを選択するだけでOpenStackを使ったクラウド環境を容易に作成できる。

 Canonical Distribution of Ubuntu OpenStackは、CanonicalのOpenStackリファレンスアーキテクチャをベースに、CanonicalおよびCanonicalのOpenStack関連パートナーが提供するストレージやソフトウェア定義ネットワーク(SDN)、ハイパーバイザーをそれぞれ選択することで、OpenStackを使ったクラウド環境を構築できるというもの。管理やモニタリングの自動化機能もある。高性能なクラウド環境を構築する必要があるユーザー向けで、インフラを容易に構築できることでアプリケーションやワークロードにフォーカスできるという。OpenStackにはJuno(OpenStack 2014.2)を採用しており、また最新版がリリースされると自動で更新が行われる。

 Canonicalの「MAAS(Metal as a Service)」を利用して物理ハードウェアの検出とプロビジョニングを行い、「Landscape」を利用してシステムを管理する。WebベースのUIが提供され、既存インフラと互換性のあるオプションのみを表示する機能もある。クラウド環境の構築後は、LandscapeからOpenStack対応のモニタリング機能にアクセスしてクラウド環境の運用情報を得ることもできるという。利用の傾向に基づいたリアルタイムでの予測機能もあり、コンピューティングノードの追加のタイミングを図りやすくするという。

 発表と同時に、Canonical Distribution of Ubuntu OpenStackのブリックベータが公開されている。利用は無料だが、物理サーバーと仮想マシンはともに最大10台までの上限が設けられている。

英Canonical
http://www.canonical.com/