「Linux Mint 17」リリース、2019年までサポートされる長期サポート版

 Linuxディストリビューション「Linux Mint」の開発チームは5月31日、最新の安定版となる「Linux Mint 17」(開発コード「Qiana」)を公開した。2019年までサポートされる長期サポート版(LTS)となる。

 Linux MintはUbuntuをベースにカスタマイズされたLinuxディストリビューション。Linux Mint 17はUbuntu 14.04をベースとし、デスクトップ環境としてGNOME 2ベースの「MATE」とGNOME 3ベースの「Cinnamon」が採用されている。Linuxカーネルのバージョンは3.13。

 本バージョンでは、アップデートツール「Update Manager」が大きく強化された。表示される情報が増え、UIやデザインは簡素化されている。新たにアップデートの種類を表示する「タイプ」が導入され、セキュリティアップデートに対し2つの設定オプションが加わるなど、細かな調整が可能となった。そのほか、root権限を必要とする操作時の再読み込みやインターネット接続の確認、APTキャッシュのロックなどがなくなり、操作感が向上している。

 ドライバマネージャ「Driver Manager」やログイン画面「MDM」、初回ユーザーに表示する「Welcome Screen」なども強化された。ドライバマネージャではインターネット接続なしにドライバのインストールが可能となった。MDMはバージョン1.6にアップデートされ、複数画面を利用したログインの強化や、HTML Greeterとよばれるログイン画面での高解像度(HiDPI)サポートなどが行われている。画面の検出機能、事前選択などの機能も加わっている。言語設定画面も新たに導入された。従来の「Language Support」に代わるもので、言語の選択やシステム全体での適用が容易に行えるという。

 デスクトップ環境別でも強化が加わっている。MATEはバージョン1.8となり、ファイルマネージャ「Caja」、ウィンドウマネージャ「Marco」などの強化が行われている。たとえばCajaではSI単位系ではなくIEC単位系を利用できるオプションが加わり、検索機能も強化された。軽量化や性能強化なども進んでいる。commandアプレットを導入し、paste.mate-desktop.orgにテキストをペースト可能なmpsteコマンドも加わった。イメージビューア、スクリーンセーバー、ログアウト画面なども改善されている。

 Cinnamonはバージョン2.2となり、システム設定「System Settings」ではGUIの改善によって一貫性のある操作が可能となったという。電源管理やスクリーンセーバーの設定画面の強化や、スナップ機能「HUD」の挙動変更、ワークスペース管理「Hot Corners」で細かな設定が可能になる、といった変更が行われている。

 そのほか、Sound Appletでのメディアプレイヤー制御機能「MPRIS(Media Player Remote Interfacing Specification)」サポート、HiDPIのサポート、ウィンドウマネージャでのGTK Client Side Decorations(CSD)のフルサポートなども加わっている

 Linux MintはプロジェクトのWebサイトから入手できる。

Linux Mint
http://www.linuxmint.com/