5年ぶりの新メジャーバージョン「Apache OpenOffice 4.0」リリース、新たにサイドバーを導入

 The Apache Foundation(ASF)は7月23日(米国時間)、オープンソースのオフィススイート最新版「Apache OpenOffice 4.0」をリリースした。米IBMの「Lotus Symphony」を統合、サイドバーを導入するなど、UI面でも大きな変化を遂げている。

 Apache OpenOfficeは米Sun Microsystemsが買収した独Star Divisionの「Star Office」に起源をたどるオフィススイート。米Oracleが2010年にSunを買収したことでOracleの傘下となったが、Oracleは2011年6月にプロジェクトをASFに寄贈、現在はASFの一プロジェクトとして開発が進められている。ワープロ機能の「Writer」や、表計算機能「Calc」、スライド作成/プレゼンテーション機能「Impress」、データベース機能「Base」、ドロー機能「Draw」などのアプリケーションから構成されており、文書ファイルのフォーマットにはOASIS Open Document Format 1.2(ODF)を採用する。

 OpenOffice.org 4.0は5年ぶりのメジャーバージョンアップ版となる。大きな変更点としては、OpenOffice.orgをベースに開発されたIBMのオフィススイート「Lotus Symphony」との統合が挙げられている。これにより、Lotus Symphony由来の機能が多数加わっている。具体的な変更点としては、まずサイドバーの導入がある。作業画面の右横に機能やツールを並べられるスペースを設け、折りたたみ/拡張可能なパネルにより簡単にそれら機能へとアクセスできる。パネルは23種が事前に用意されており、開発者はサイドバー向けに拡張機能を開発できる。コンテキストに応じてパネルの内容は変化し、ユーザーがよく利用する機能に迅速にアクセスできるという。サイドバーの幅は調整可能で、利用者はPCのワイド画面を効果的に利用できるとしている。開発チームでは「UIではここ数年で最も急進的な改善」と述べている。

 そのほかの改良点としては、Microsoft Officeとの互換性改善がある。Office Open XML(OOXML)のサポートやアウトライン表示、テーブルの背景色などで互換性を強化した。グラフィック周りも改良されており、印刷プレビューの品質向上や画面描画品質の強化、コピー&ペーストやドラッグ&ドロップの改良、SVGのサポート改善、カラーパレットやグラデーションパターンの改良などが行われている。

 そのほか、性能の改善や表計算機能「Calc」での新関数の追加、対応言語の追加なども行われている。

 Apache OpenOfficeのソースコードおよびWindowsやLinux、Mac OS X向けバイナリはプロジェクトのWebサイトより入手できる。ライセンスはApache License 2.0。

Apache OpenOffice Project
http://openoffice.apache.org/