IE8以前のサポートを廃止した「jQuery 2.0」、ついに正式版リリース

 jQuery開発チームは4月18日、JavaScriptライブラリ「jQuery 2.0」を発表した。Internet Explorer(IE) 6および7、8のサポートの廃止が行われており、より軽量かつ高速になったという。

 jQuery開発チームは2012年6月、次期メジャーアップデート版となるバージョン2.0ではIE 6/7/8をサポートしない方針を打ち出しており、最新版はこの計画に沿ったものとなる。それにあたって、2013年1月に2.0とAPI互換をもつバージョン1.9を公開、同時にバージョン2.0のベータ版もリリースされていた。1.9系の最新版は現在1.9.1(2月に公開)で、1系の次期版は1.10となる。

 jQuery 2.0ではIE 6/7/8など「レガシー」なWebブラウザサポートが廃止されており、これら専用のコードを削除することで1.9.1と比較してファイルサイズが12%小さくなったと報告されている。今後はAndoid 2系のサポートについても、シェアを見ながらサポート対象を決定するという。なお、サポート対象となるIE 9とIE 10については、互換表示モードを回避するためX-UA-CompatibleタグもしくはHTTPヘッダを使うよう提案している。

 1.8系で導入されたカスタムビルドも強化され、12種類あるモジュールを外して小型化できるようになった。querySelectorAll APIのラッパーであるミニマルセレクタエンジンにより、ファイルサイズを10KB以下に縮小することも可能という。

 jQuery 2.0はjQueryのWebサイトおよびCDNで配布しており、またGoogleやMicrosoftのCDNからも入手できるようになるという。なお、jQuery 2系で削除されたAPIを利用可能にする「jQuery Migrate」プラグインも用意されている。

 開発チームは今後の予定として、バージョン2.0リリース後もIE 6/7/8で利用できるバージョン1系のサポートは継続し、プラグインで機能追加などを行うことで2.0との互換性を維持するという。数ヶ月以内に1.10を公開、その後は1.10/2、1.11/2.1、と機能上の均衡を保つと約束している。

The jQuery Foundation
https://jquery.org/