米Google、WebKitベースの新レンダリングエンジン「Blink」を発表、Chromeでの導入を視野に

 米Googleは4月3日、オープンソースのレンダリングエンジン「Blink」を発表、同社が開発するWebブラウザ「Google Chrome」の開発版であるChromiumで採用する方針を発表した。

 GoogleはこれまでChromeでWebKitを採用してきた。新たにレンダリングエンジンを開発する理由について、WebKitは柔軟性と拡張性に優れるとしながらも、Chromeが土台とするマルチプロセスアーキテクチャは他のWebKitベースのブラウザとは異なるために、WebKitとChrome/Chrominumプロジェクトの両方の進化を鈍化させていたと説明している。これにより、さまざまな分野で性能や安定性を強化できるとの期待も示しており、「JavaScriptエンジンのV8がJavaScriptで達成したのと同じようなイノベーションを起こしたい」と述べている。ライセンスはLGPLとBSD Licenseになるだろうとしている。

 BlinkはWebKitを土台としながら、DOM処理やJavaScriptエンジンの高速化、安全性、性能などの面で改善を探るという。当面は内部アーキテクチャの改善、コードの簡素化などの作業を進めるとしている。その一例として、7種類のビルドシステムを削除することで、450万行のコードを減らすことができるという。アーキテクチャでは、ページを各パーツに分離してサンドボックスプロセスを実行できるout-of-process iframes、ネットワーキング関連のコード修正による高速化、DOMのJavaScriptへの統合などを計画しているという。当面はWeb開発者にとって大きな変更はないとしている。

 なお、「Opera」を開発するノルウェーOpera Softwareも同日、Blinkを採用する計画を明らかにしている。Operaは2月、これまで採用してきた独自のレンダリングエンジン「Presto」からWebKitベースに切り替える方針を発表していた。

Blink
http://www.chromium.org/blink

米Google
http://www.google.com/