Gitベースのファイル共有クライアント「SparkleShare 1.0」

 GNOME開発者のHylke Bons氏は12月9日、オープンソースのファイル同期システム「SparkleShare 1.0」を公開した。複数のコンピュータ間でのディレクトリの同期を可能にするので、バックエンドにはGitを使用する。WindowsやMac OS X、Linuxに対応、プロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。

 SparkleShareは、Gitをベースとするプロジェクト同期・バージョン管理プラットフォーム。ユーザーのコンピュータ上に同期用のディレクトリを作成し、その中に格納したファイルをほかのコンピュータの同期用ディレクトリとネットワーク経由で同期・共有できる。ファイルの管理にはGitを利用するため、容易にホストを設定できるのが特徴。サードパーティのストレージを利用せず、自分の管理下にあるサーバー内でファイルを管理できるメリットがある。Gitorius、Github、BitbucketなどのGitベースサービスと合わせて利用することもできる。3年前に英ロンドンで開催された「GNOME Usability Hackfest」で生まれたアイディアがプロジェクトの始まりとなる。ライセンスはGPLv3。

 また、同期されたフォルダにアクセスしたり変更を知らせるステータスアイコン、バージョン管理と変更の表示、履歴表示などの機能を持つインターフェイスも用意されている。2人以上のユーザーが同時に変更を加えたときのコンフリクト対処(コピー作成とタイムスタンプ)機能もある。セキュリティ側では、AES-256を利用したクライアントサイドの暗号化、パスワードなどの機能があり、ファイル転送の際はクライアントとサーバー間で暗号化通信を利用するという。

 今後の計画としては、大規模なバイナリファイルの対応強化、ファイルの変更時間情報の保存、バイナリLinuxバンドルの作成、SparkleShareフォルダを作成する場所の選択機能、GNOME 3統合などを挙げている。

SparkleShare
http://sparkleshare.org/