「Mono 3.0」がリリース、C# 5サポートなど.NET Frameworkサポートが向上

 10月22日、オープンソースの.NET Framework実装「Mono」のメジャーアップデート版となる「Mono 3.0」がリリースされた。C# 5サポートや最新の.NET Frameworkサポートなどが行われている。

 Monoは、米Microsoftのアプリケーションフレームワーク「.NET Framework」をオープンソースで実装したもの。LinuxやMac OS X、FreeBSDなどの各種UNIXをサポートするほか、Windows上でも動作する。プロジェクトはXimianやその後同社を買収した米Novellの支援を受けてきたが、NovellがAttachmateに買収された後プロジェクトの創始者であるde Icaza氏がXamarinを設立、現在はXamarinによるオープンソースプロジェクトとして開発が進められている。

 Mono 3.0は2011年2月にリリースされたMono 2.10以来のメジャーアップデートとなる。C# 5をフルサポートし、非同期処理などの機能を利用できるようになった。C#コンパイラのコード生成エンジンは「System.Reflection.Emit」から「IKVM.Reflection」への移行が行われている。これにより、開発者はカスタムコンパイラを構築することなく任意のmscorlibを利用できるという。プロファイルは.NET 4.5 API Profileがデフォルトとなっている。

 また、最新のガベージコレクション機構「SGen」を統合、複数のCPUでガベージコレクタ関連のタスクを並列処理することで性能を改善するという。ランタイムやクラスライブラリの最適化も行われている。

 これらに加え、Microsoftが進めているオープンソースのWebアプリケーションフレームワーク「ASP.NET MVC 4」および「ASP.NET WebPages」、「Entity Framework」、「Razor」などの統合、JSON実装のMicrosoftの「System.Json」への置き換えなども行われている。

 de Icaza氏はリリースに合わせて、Mono 3.0移行ではリリースを頻繁に行う意向も表明している。これにより、最新機能を迅速に提供できると語っている。

米Xamarin
http://www.xamarin.com/

Mono
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