フリーのオーディオフォーマット「Opus」がIETF標準に、初の正式版実装もリリースされる

 VoIPや電話会議、ライブストリーミングなどの用途に向けたフリーのオーディオフォーマット「Opus」開発チームは9月11日、初の正式版となる「Opus 1.0.0」と「Opus 1.0.1」をリリースした。同時に、標準化策定組織Internet Engineering Task Force(IETF)で「RFC 6716」として進められてきた標準化についても、作業が完了し仕様を公開したことを報告した。

 Opusはロイヤリティフリーのオーディオフォーマットで、VoIPや電話会議、ライブストリーミングといった「インタラクティブ」な音声や音楽を格納するために設計された。Skypeの採用する音声コーデック「SILK」と、Xiph.Orgが開発する低遅延を特徴とする音声コーデック「CELT」を組み合わせたものとなっている。ビットレートは6〜510kbps、サンプルレートは8〜48kHzをサポートし、帯域によって動的にスケールできるという。このほか、静的な音楽ファイル再生も可能。MP3、Vorbisなどのコーデックと比較すると圧縮率が高く、これら既存の音声コーデックよりも高品質としている。HTML5のAUDIOタグでもサポートされる方向で、すでにMozillaの「Firefox 15」のベータ版ではサポートされているという。

 Opusフォーマットは2010年9月にIETFに提案され、その後IETFのInternet Wideband Audio Codec作業部会で標準化が進められていた。今回、標準技術RFC 6716として技術仕様が公開されたことで、Webでの音声・音楽の標準的なフォーマットとなることが期待される。

 なお、Opus1.0.0はRFCのリファレンス実装と同じソースコードを含み、1.0.1はRFCがフリーズされた後に小規模な修正を加えたものとなる。OpusはプロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。

Opus
http://opus-codec.org/

ダウンロード
http://opus-codec.org/downloads/

RFC 6716
http://tools.ietf.org/html/rfc6716