パーソナルクラウド的な共有/公開機能を備えたファイルサーバー「ownCloud 4」リリース、バージョン管理機能などが追加

 オープンソースのファイル共有・同期ソフトウェアを開発するownCloudコミュニティは5月22日(米国時間)、最新版となる「ownCloud 4」をリリースした。ファイルのバージョニング/ロールバック機能やWebユーザーインターフェイスの改良、セキュリティの強化など多数の機能が加わっている。

 ownCloudはWebブラウザから操作できるWebユーザーインターフェイスを備えたオープンソースのファイルサーバー/オンラインストレージソフトウェア。ユーザーが管理・所有するサーバーを利用して、複数のPCやスマートフォンからインターネット経由でアクセスできるオンラインストレージを運用できる。ライセンスはAGPL 3。WebDAVにも対応しており、WindowsやMac OS Xなどのデスクトップから直接ファイルを操作することも可能。iCalなどのCalDAV対応アプリケーションと同期できるカレンダー機能も搭載されている。

 ownCloud 4では、ファイルの複数のバージョンを保存し、特定のバージョンに差し戻せるバージョニング/ロールバック機能が加わった。Webユーザーインターフェイスに搭載されているファイルビューアー機能ではOpen Document Format(ODF)形式のファイルの閲覧に対応、これら形式のファイルをダウンロードせずに閲覧できるようになった。

 ファイルの暗号化やドラッグ&ドロップでのアップロード、バックアップ機能も追加されている。「Dropbox」や「Google Drive」といった他社サービスとの連携機能も実験的に加わっている。

 ownCloudの機能を拡張できるAPIも提供された。ルック&フィールを変更するテーマ機能や、アプリケーションストア機能も用意されている。

 ownCloudは2010年に立ち上がったプロジェクトで、商用サービスを提供する企業も2011年末に立ち上がっている。プロジェクトによると、現在ユーザー数は45万人に達しているという。無償の「Community Edition」はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

ownCloud
http://www.owncloud.org/