Fedora 15リリース、最新のデスクトップ環境「GNOME 3」を搭載

 The Fedora Project(米Red Hat支援)は5月24日(米国時間)、オープンソースのLinuxディストリビューション最新版「Fedora 15」を公開した。4月に登場した「GNOME 3」を搭載した初のメジャーディストリビューションとなる。

 2010年11月のFedora 14公開以来、約半年ぶりのリリースとなる。Fedora 15ではLinuxカーネル2.6.38.6をベースに、最新のデスクトップ環境「GNOME 3」を採用、UIが大きく変わっている。

 また、仮想化関連機能も強化され、容易に仮想システムイメージを作成できるツールセット「BoxGrinder」を導入した。BoxGrinderはJBossコミュニティで生まれた技術で、Fedoraに加わる初のJBossコミュニティプロジェクトになるという。

 Btrfsサポートの強化やインストールの簡素化なども行われたほか、新たにシステム/セッションマネージャ「systemd」も採用された。SysV/LSBで採用されていた伝統的なinitスクリプトと互換性を保ちつつ、ブートプロセスを並列化できるという。再起動なしに設定変更を行えるダイナミックファイアウォールや、ハードウェアの接続状態に基づいたネットワークデバイス名の採用なども行われている。

 このほか、クラッシュレポートの改善、SELinux向けトラブルシューティングツールの一新、電源管理機構の改良、VirtManagerへのSPICE(Simple Protocol for Independent Computing Environment)VDI統合なども改善点となる。

 オフィススイートは「OpenOffice.org」から「LibreOffice」(バージョン3.3)に変更され、このほかにもFirefox 4やPython 3.2、GCC 4.6、GNU Debugger 7.3などを含む。

 Fedora Projectは約6ヶ月おきのリリースを目指しており、予定通りであれば次期版は11月に登場することになる。

The Fedora Project
http://www.fedoraproject.org/

ダウンロード
http://fedoraproject.org/get-fedora

米Red Hat
http://www.redhat.com/