1,000円を切る低価格で登場、「さくらのVPS」をチェック――サーバー構築編 5ページ

各種ソフトウェアのインストール

 以上で、基本的なVPSの設定は完了だ。あとはこの環境に対し、必要なソフトウェアをインストールして設定し、運用していくことになる。続いては、VPSで運用されることが多いと思われるWebサーバーやMySQLデータベース、メールサーバーの設定などについて説明していこう。

yumコマンドによるソフトウェアのインストール

 CentOSでは、「yum install」コマンドでソフトウェアをインストールできる。たとえば「yum-cron」をインストールするには、次のようにすれば良い。

$ sudo yum install yum-cron
Loaded plugins: fastestmirror
 :
(インストールされるパッケージ一覧が表示される)
 :
Is this ok [y/N]: y  ←問題なければ「y」
 :
 :
Complete!

 ちなみにyum-cronは自動で定期的に「yum update」コマンドを実行するツールだ。これをインストールすると自動的でパッケージの更新を行えるため、特に問題がなければインストールしておきたい。

 なお、さくらのVPSでは64ビット(x86_64)版のCentOSがインストールされている。64ビット版OSでは64ビットだけでなく32ビットのアプリケーションも実行可能であり、そのためパッケージのインストール時に32ビット版と64ビット版の両方がインストールされることがある。もし64ビット版のみをインストールしたい場合は、インストールするパッケージ名の末尾に「.x86_64」を付けてyum installコマンドを実行すれば良い。たとえば64ビット版のFirefoxのみをインストールするには、次のようにする。

# sudo yum install firefox.x86_64

 また、インストールしたいソフトウェアのパッケージ名が分からない場合は、「yum search」コマンドでキーワードに該当するパッケージを検索できる。

$ yum search '<適当なキーワード>'

Webサーバーの構築

 CentOSで利用できるWebサーバーにはさまざまなものがあるが、今回は最も一般的に利用されているものに「Apache HTTP Server」(Apache)がある。ここでは、このApacheのインストールと設定について解説してこう。

Apacheのインストールと設定

Apacheのインストール

 Apacheのインストールは「yum install httpd」コマンドで行える。

$ sudo yum install httpd

Apacheの起動/再起動

 httpdパッケージには基本的な設定ファイルなども含まれているため、インストールの完了後すぐにサーバーを起動できる。サーバーを起動するには、「service <サービス名> <オペレーション>」コマンドを実行すれば良い。

$ sudo /sbin/service httpd start

 また、サーバーを停止させたり、再起動させるには次のようにする。

$ sudo /sbin/service httpd restart  ←サーバーの再起動
$ sudo /sbin/service httpd stop  ←サーバーの停止

 また、OS起動直後にサービスが自動的に立ち上げるよう「chkconfig <サービス名> <on/off>」コマンドで設定しておこう。

$ sudo /sbin/chkconfig httpd on  ←OSの起動直後にApacheを自動起動する

Apacheの動作確認

 サーバーを起動したら、Webブラウザで「http://<VPSのIPアドレス>/」にアクセスして正しく動作しているかを確認しておこう。なお、デフォルト設定ではDocumentRoot(Webサーバーの/ディレクトリに対応するディレクトリ)は「/var/www/html」に設定されている。

さくらのVPSで割り当てられるホスト名

 さくらのVPSでは、VPSごとに自動的に初期ホスト名が割り当てられている。割り当てられているホスト名は、「hostname」コマンドで確認できる。

$ hostname
www4040u.sakura.ne.jp

 使用しているVPSにアクセスするにはIPアドレスだけでなく、このホスト名を使用することも可能だ。たとえばホスト名が「www4040u.sakura.ne.jp」の場合、「http://www4040u.sakura.ne.jp」でWebサーバーにアクセスできる。