さまざまなWebブラウザに対応、振り分け機能など豊富な機能を持つダウンローダ「Free Download Manager」

 ファイルのダウンロードはWebブラウザだけでも可能だが、大容量のファイルをダウンロードする場合などは専用のツールを利用するほうが便利だ。「Free Download Manager」は、様々なWebブラウザに対応するダウンロードツールである。

 Free Download Manager(以下、FDM)は、ダウンロードが途切れた場合でも再開できるレジューム機能、ダウンロード速度の切り替え、分割ダウンロード、ダウンロードのスケジューリング、拡張子やファイル連番指定による一括ダウンロード、Webサイト内の指定ファイルの一括ダウンロード、各種Webブラウザとの連携など、豊富な機能を備えたダウンロードツールだ(図1)。

図1 高機能なダウンロードツール「Free Download Manager」
図1 高機能なダウンロードツール「Free Download Manager」

 たとえばダウンロードしたいファイルのURLを登録しておいて、あとから一括ダウンロードを行ったり、閲覧中のWebページからリンクされているファイルをまとめてダウンロードするなど、一般的なダウンローダが備えている機能はほぼ網羅されている。大容量のファイル配布によく利用されているBitTorrentにも対応しており、ダウンロードしたファイルを拡張子別に異なるフォルダに保存する機能なども備えている。

FDMのインストール

 FDMはダウンロードページから入手できる。Windowsアイコンと「DL」と書かれたアイコンをクリックすると、最新版をダウンロード可能だ(図2)。古いバージョンも公開されているが、最新版を試して特別な不具合が生じるといった場合でない限り、あえて旧版を選ぶ理由はないだろう。

図2 SourceForge.JPからFDMの最新版をダウンロード
図2 SourceForge.JPからFDMの最新版をダウンロード

 ダウンロードしたファイルを実行すると、一般的なウィザード形式のインストーラが起動する(図3)。いくつかのインストールオプションがあるので、必要に応じて設定していく(インストール後でも設定の変更は可能)。

図3 ライセンスの確認画面では「I accept the agreement」を選択して「Nexr」をクリック
図3 ライセンスの確認画面では「I accept the agreement」を選択して「Nexr」をクリック

 「Enable FDM Community options」は、FDMのユーザーによって作られているデータベースを利用するかどうかの選択だ。FDMでダウンロードするファイルが、マルウェアなどの危険物でないかどうかの情報をユーザー同士で共有している。データベースの情報が確実とは言い切れないが、利用する場合はチェックを入れておこう(図4)。

図4 FDMのユーザーデータベースによるマルウェア判定を利用する場合は「Enable FDM Community options」をチェックする
図4 FDMのユーザーデータベースによるマルウェア判定を利用する場合は「Enable FDM Community options」をチェックする

 FDMはBitTorrentプロトコルに対応しており、torrentファイルを使ったダウンロードが行える。BitTorrent機能を利用する場合は「Bittorrent protocol support」画面で「Enable Bittorrent protocol support now」をチェックしておこう(図5)。

図5 FDMでBittorrentプロトコルを有効にする場合は「Enable Bittorrent protocol support now」にチェックしておく
図5 FDMでBittorrentプロトコルを有効にする場合は「Enable Bittorrent protocol support now」にチェックしておく

 FDMには標準で日本語インターフェイスも用意されている。「Language of interface」画面で「Japanese」を選択すれば良い(図6)。

図6 FDMのインターフェイス言語は「Japanese」を選択しよう
図6 FDMのインターフェイス言語は「Japanese」を選択しよう

 また、FDMには「Software Informer」(β版)というツールが同梱されている。システムにインストールされたプログラムの更新状況をチェックしてくれるツールだ。FDM本体に限らず、色々なプログラムの更新を確認できるので、試してみるとよいだろう。Software Informer本体は、あとから単独でアンインストールできる(図7)。

図7 「Software Informer」を利用する場合は「Yes, install Software Informer」にチェック
図7 「Software Informer」を利用する場合は「Yes, install Software Informer」にチェック

 FDMのインストールフォルダなどはデフォルトでよい。また、デスクトップにFDMのショートカットを作成したり、WindowsのスタートアップでFDMやSoftware Informerを起動する設定も用意されている(図8)。

図8 デスクトップのFDMショートカットやスタートアップ起動は、必要に応じて設定する
図8 デスクトップのFDMショートカットやスタートアップ起動は、必要に応じて設定する

FDMの初期設定

 FDMの初回起動時、「ネットワーク使用最適化ウィザード」が自動的に実行される。ウィザードといっても画面は1つのみで、ネットワークの接続タイプを選ぶだけでよい(図9)。この設定は、FDMのメニューバー「設定」−「最適化ウィザード」で再実行できる。

図9 FDMの初回起動時にネットワークの接続タイプを選択する
図9 FDMの初回起動時にネットワークの接続タイプを選択する

 FDMは設定項目も多岐に渡るが、最初に設定しておくほうがよいと思われる項目を紹介しておこう。メイン画面のメニューバー「設定」−「設定」をクリックすると設定画面が開く。ここで左側のツリーの「新規ダウンロード」を選択して、右側で「拡張」ボタンをクリックする(図10)。

図10 設定画面の左側で「新規ダウンロード」を選択してから、右側で「拡張」ボタンをクリックする
図10 設定画面の左側で「新規ダウンロード」を選択してから、右側で「拡張」ボタンをクリックする

 「デフォルトのダウンロード設定」が開いたら「プロトコル」タブに切り替え、「サーバに通知する情報」のプルダウンメニューで「Microsoft Internet Explorer 5.0」を選択する。デフォルトは「Free Download Manager 2.0x」だが、Webブラウザ以外のダウンローダを拒否するサーバがあるため、これを回避するための処置だ(図11)。

図11 「サーバに通知する情報」を「Microsoft Internet Explorer 5.0」に変更
図11 「サーバに通知する情報」を「Microsoft Internet Explorer 5.0」に変更

 次に、設定画面の左側で「ネットワーク」を選択する。FDMに割り当てる帯域などを設定し、ライトモード、ミディアムモード、ヘビーモードという3通りの設定を使い分けられる。各モードの設定で、「1サーバあたりの最大接続数」を調整しておいたほうがよいだろう(図12)。1つのサーバに複数の接続(コネクション)を張るとダウンロードは高速になるが、複数のコネクションを拒否するサーバもある。また、ダウンロードの途中で接続を切断されたり、悪質なユーザーとしてマークされる可能性も否定できない。サーバに過大な負荷をかけるだけでなく、他のユーザーにも迷惑となるので、1サーバあたりの最大接続数は多くても数個程度にとどめておこう。

図12 サーバの負荷や他人の迷惑に配慮して、「1サーバあたりの最大接続数」を設定しておこう
図12 サーバの負荷や他人の迷惑に配慮して、「1サーバあたりの最大接続数」を設定しておこう

FDMの基本的な使い方

 FDMでファイルをダウンロードするには、FDMのメイン画面で、ツールバーの「+」ボタンをクリックする(図13)。

図13 ツールバーの左側にある「+」ボタンをクリックする
図13 ツールバーの左側にある「+」ボタンをクリックする

 「ダウンロードの追加」ダイアログが開くので、ダウンロードするファイルのURLを入力し、ローカルの保存先やダウンロードのスケジュールを設定して「OK」ボタンを押す(図14)。スケジュールを「自動」にすると、「OK」ボタンを押すと同時にダウンロードが始まる。

図14 ダウンロードするファイルのURLなどを入力して「OK」ボタンをクリック
図14 ダウンロードするファイルのURLなどを入力して「OK」ボタンをクリック

 ただし、ダウンロードしたいファイルのURLを毎回コピー&ペーストするのは面倒であるため、この機能をそのまま使う機会は少ないだろう。FDMには各種Webブラウザと連携する機能があり、ダウンロードしたいファイルをすばやくFDMに登録できるようになっているからだ。Webブラウザ連携機能を利用するには、FDMの設定画面を開き、左側のツリーで「監視」を選択する(図15)。

図15 FDMの設定画面「監視」を表示し、右側の「詳細設定」をクリック
図15 FDMの設定画面「監視」を表示し、右側の「詳細設定」をクリック

 連携可能なWebブラウザは、Internet Explorer、Firefox、Opera、Safari、Google Chomeなど、メジャーなものを一通りサポートしている。連携には2種類あり、1つはWebブラウザの右クリックメニューにFDM項目を追加する機能だ。デフォルトで有効になっており、全部で5通りの追加項目が用意されている。最初はすべての項目を追加して使ってみて、あまり使わない項目を削るとよい(図16)。

図16 Webブラウザの右クリックメニューに追加するFDM項目
図16 Webブラウザの右クリックメニューに追加するFDM項目

 次にWebブラウザの右クリックメニューで、FDMを使ってダウンロードする項目をクリックする(図17)。

図17 Webブラウザ上でダウンロードしたいファイルの右クリックメニューで「Free Download Managerでダウンロード」を選択する
図17 Webブラウザ上でダウンロードしたいファイルの右クリックメニューで「Free Download Managerでダウンロード」を選択する

 なお、Internet Explorerではセキュリティ警告が出る場合があるが、「許可する」で問題ない(図18)。

図18 Internet Explorer 8の場合、警告が表示されるが「許可する」をクリックして良い
図18 Internet Explorer 8の場合、警告が表示されるが「許可する」をクリックして良い

 するとFDMの「ダウンロードの追加」ダイアログが開き、選択したファイルをFDMにダウンロード登録できる(図19)。

図19 FDMの「ダウンロードの追加」ダイアログが表示され、ファイルのURLが自動入力される
図19 FDMの「ダウンロードの追加」ダイアログが表示され、ファイルのURLが自動入力される

閲覧中のWebページ内にあるファイルをまとめてダウンロードする

 また、同じWebページ内から大量のファイルをダウンロードする場合は、右クリックメニューの「Free Download Managerですべてをダウンロード」が便利だ(図20)。

図20 Webページ内の全ファイルをまとめてFDMへダウンロード登録できる
図20 Webページ内の全ファイルをまとめてFDMへダウンロード登録できる

 この操作を実行すると、Webページ内の全ファイルがFDMの「ダウンロードリストへ追加」ダイアログにリストアップされる。ダウンロード不要なファイルを手動で削除したり、ダウンロードするファイルを拡張子で絞り込んだりしたのち、FDMへダウンロード登録する(図21)。

図21 フィルタ機能を使えば、ダウンロード登録するファイルを拡張子で絞り込める
図21 フィルタ機能を使えば、ダウンロード登録するファイルを拡張子で絞り込める

 また、FDMではWebブラウザの監視機能もある。Webブラウザの標準機能によるファイルのダウンロードを検知し、この処理をFDMへと振り替えるものだ。Webブラウザでファイルをダウンロードするごく普通の操作を行っても、自動的にFDMでダウンロードできるわけだ。これは設定画面の「監視」で、監視したいWebブラウザの種類にチェックすればよい。監視したくない場合はチェックを外しておこう(図22)。

図22 FDMでダウンロードを監視するWebブラウザを取捨選択
図22 FDMでダウンロードを監視するWebブラウザを取捨選択

今回紹介したツール:Free Download Manager