インタビュー:音声変換ツール「えこでこツール」の開発者に聞く

SourceForge.JPでは、同サイトを利用するオープンソース・プロジェクトを毎月1つピックアップし、その開発者にインタビューする「今月のプロジェクト」というコーナーを設けています。今回は、音声変換ツール「えこでこツール」の開発者、cochaさんにお話をうかがいました。

プロジェクトの概要

このソフトウェアはどんなソフトウェアですか?

EcoDecoTooLは、音声変換するソフトウェアです。特徴として以下のような機能を持っています。

  • 音声ファイル・動画ファイル・音楽CDからwav、aac、mp3、ogg(vorbis)等に変換することができます。
  • 動画ファイルから音声部分のみを抽出することができます。

このソフトウェアの特長は?

シンプルで分かりやすい直感的なGUI画面です。wavサンプリング周波数変換、デコードやエンコード時の変換精度にはこだわっています。

このソフトウェアの名前の由来は?

「Encode & Decode Tool」の一部分を抜き出して「EcoDecoTooL」にしました。

プロジェクトを始めた動機は? また、どうやって始めましたか?

EcoDecoTooL(ver1.01)を公開してから半年後くらいに、同封したアンインストール用のプログラムがウィルスと誤検知されてしまったのがきっかけです。

プロジェクトを発足し原因を調べ、アンインストールの必要のないプログラムをオープンソースのもと、ゼロから作り直しました。

このソフトウェアのターゲット・ユーザーは?

音楽ファイルをエンコードしたい方や、ムービーファイルの音だけを保存したい方、動画作成で音声変換をしたい方。

このソフトウェアをどれくらいのユーザーが利用しているとお考えですか?

毎日300前後のDLがあるようです。ニコニコ動画や!YouTube等の動画サイトの普及で、需要は増えてきていると思います。

プロジェクトがうまく行っていると感じるのはどんなときですか?

バグ修正・機能追加をしたバージョンアップ版が無事にリリースできたとき。

このプロジェクトをやっていて最も驚いた出来事は?

メールなどで、自分では気が付かないところを指摘してもらえることです。例えば、開発機はデバッグで大量の変換処理を行うためにデュアルコアのマシンを使っているのですが、シングルコアのマシンでは処理が重くCPU使用率が100%になってしまうのでCPU使用率を設定できるようにして欲しいといった意見を貰ったりしました。

このプロジェクトで最も苦労している点は?

  • デバッグ作業 – サポートしているすべてのファイル形式を試すので時間がかかります。
  • 変換の高速化 – 高速化のためにはSSEの使用は避けては通れないです。あとOpenMPによる処理の並列化。
  • バグの検出 – 速度を出すためにWin32で作っているため、ソースが長いです。

今後のプロジェクトの方向性は?

EcoDecoTooLはバグ修正と機能追加を継続です。音声変換の定番ソフトと呼ばれるのが目標です。同時並行で、シンプルで軽快なメディアプレーヤーを作成中です。

どのような要望がユーザーからあがっていますか?

いろいろあるのですが、近いうちに実装したいものとして可逆圧縮(mp3HD, ape, flac, tta, wv等)への変換や、複数のファイルを1つのmatroskaファイルにまとめる機能などがあります。

このソフトウェアあるいはプロジェクトについて誇れるところは?

シンプルなGUIでしょうか。シンプルで直感的というのはなかなか難しく、いろいろと試行錯誤しました。

あなたの本業は何ですか?

家業手伝いです。

あなたの開発環境は?

デスクトップ自作機 + WindowsXP(32bit) + Visual Studio 2008
Windows 7が発売されたら64bit環境に移行する予定です。

バージョン・ヒストリー:

  • 2008/09/20 ver1.10 (SourceForgeでの初版リリース)
  • 2008/10/13 ver1.11
  • 2008/12/30 ver1.12
  • 2009/03/02 ver1.12.1

このプロジェクトに貢献するには?

バグがありましたら、報告してくれるとありがたいです。

バグ報告ページ

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特に不満はなく快適に使わせてもらっています。これからもよろしくお願いします。