Second Life、オープンソースコミュニティにおける2008年度の各種貢献者を表彰

 オンライン仮想空間Second Lifeを運営するLinden Labは先日、オープンソースコミュニティにて活躍の著しかったメンバに対して与えられるLinden Lab Innovation Awardsの受賞者を発表した。なお今回の受賞者7名に関するアナウンスは、フロリダのコンベンションセンターとSecond Lifeのシステム上とで同時開催された“複合現実感”セレモニーにて行われている。

 Second Life Community Convention(SLCC)にて開催された受賞セレモニーは、Lindenのオープンソース開発部門を率いるRob Lanphier氏が司会を務めていた。今回は、昨年オープンソース化されたSecond Lifeコードのリリース後に2007 SLCCにて実施された最初のイベントに引き続く第2回目の開催となる。審査員6名からなるパネルの選出した5カテゴリの受賞者に対しては“Hippo Award”懸賞パッケージが与えられた。

 最初のカテゴリであるBest Documentationについては、Asuka Neely氏およびGally Young氏の2名の受賞者が選ばれた。この両名は、Second Life wikiに集められた膨大なドキュメントをそれぞれ日本語とフランス語に翻訳した貢献を認められての受賞である。

 Best Community Organizerのカテゴリでも2名の受賞者が選出されたが、両者の受賞理由はそれぞれに異なっている。まずBest Working Group Organizerに選ばれたTao Takashi氏の受賞理由は、Second Lifeと他の仮想空間システムとの相互運用を図るプロトコルおよびデータフォーマットの標準化を促進したグループArchitecture Working Group(AWG)に対する貢献が認められたものである。もう1つのBest Issue Tracker Organizerに選ばれたHarleen Gretzky氏の受賞理由は、既にそのタイトルが半ば物語っているが、PJIRAとして知られるイシュー(問題)トラッカのプロジェクトに対する貢献である。

 Best Code Contributionの受賞者にはMm Adler氏が選出された。Adler氏の功績は、Second Lifeビュワーにボイスツーモデルのリップシンク機能を追加したことであり、Lanphier氏はこれを、高度に整理され細部まで行き届いた機能だと評している。

 Jesse Malthus Award for Best Community Influenceは、コミュニティメンバの1人としてSecond Lifeに多大な貢献をしながらも昨年他界した開発者の名を冠して設けられた賞である。今回その受賞者となったLex Neva氏は、PJIRAでの問題追跡に関する貢献の大きさだけでなく、Second Lifeコミュニティにて“建設的かつ思慮に満ちた”コメントや意見交換を行ってきた功績が評価されての選出であった。

 最後に残されたContributor of the Yearの受賞者はMichelle2 Zenovka氏である。Zenovka氏によるコード開発の貢献は、Second LifeビュワーのCMakeへの移行を進め、LinuxビュワーのクライアントをWindowsおよびMac OS Xビルドと同等のレベルに引き上げたと、Lanphier氏によって評されている。

 Linden Lab Innovation Awardsの候補者は、コミュニティ全体に門戸が開かれている。なお個々の受賞タイトルは、開催年ごとの審査員により決定されるものが多い。Second Life wikiには受賞セレモニーの様子を収めたフルテキストが掲載されており、各カテゴリにおいて惜しくも選に漏れた上位入賞者の名前やその貢献内容についてもここで確認できる。

Linux.com 原文(2008年9月10日)