AdobeがLinux用のFlash Player 10ベータ版をリリース

 Adobe Systemsは本日(5/15)、Adobe Flash Player 10(コードネーム「Astro」)の最初のベータ版リリースを発表した。対象プラットフォームにはWindowsとMac OS X以外にLinuxも含まれており、Linuxデスクトップユーザを取り込もうとの狙いがうかがえる。

 リリースに際し、Adobe Systemsのプラットフォーム事業部(Platform Business Unit)の事業部長兼副社長David Wadhwani氏はこう述べている。「当社はコミュニティとの連携をしっかりと取っており、インタラクティブ・コンテンツのデザイナおよび開発者に対しては変容性のある画期的で独創的な機能を、またエンドユーザに対しては革新的な機能の提供に取り組んでいる」

 残念ながら、Linux版はこうした新機能のすべてには対応していない。Windows版およびMac OS版では、Flashのネイティブなエフェクトで使えるカスタムのフィルタおよびエフェクトを作成する機能がデザイナ向けに提供されている。こうしたカスタムのフィルタおよびエフェクトの作成にはAdobe Pixel Benderツールキット(現在はリリース候補版)が必要だが、Linuxではこのツールキットが利用できないのだ。

 ただしAdobeによれば、このツールキットの機能の一部はAdobe AIRに組み込まれるという。こちらはLinux用のアルファ版が存在する。

 今回のFlash Player 10の登場は、AdobeのOpen Screen Project発足の直後となった。このプロジェクトは、Flash形式の制約の部分的緩和と一部のFlash仕様の公開による“ランタイム環境の整合化”を目指すものだ。同社によると、Open ScreenにはPixel Benderの機能のいくつかが含まれることになるという。もっとも、オープンソースのFlash開発者はOpen Screenをあてにしてはいないようだ。

 今回のベータ版は、可変ビットレートの動画ストリーミングに対応している。今のところはあまり使い途のない機能だが、次期バージョンのAdobe Flash Media ServerおよびPlayerの間で利用可能な帯域幅に応じて動画の質を自動調整できるようにするものだ。

 Flash Player 10には、インタラクティブ性を保持したまま2Dオブジェクトの配置、回転、アニメーション化を行う3Dエフェクトのネイティブサポートも含まれている。Flash Player 9向けのオープンソースライブラリPaperVision3D open source libraryのおかげで、開発者はすでにこうした機能を利用することができる。