KDDI研究所、ZigBee携帯電話が通勤ラッシュの電車内でも使える混雑回避技術

 KDDI研究所(秋葉重幸代表取締役所長)は2月25日、多数のユーザーが同じ場所で同時にZigBee(ジグ・ビー)携帯電話を利用しても安定して通信できる混雑回避技術の開発に成功したと発表した。ZigBeeとは、Bluetooth(ブルートゥース)に似た短距離無線通信規格。比較的低速だが省電力で6万5000を超える端末を1つのネットワークに接続できるという特徴がある。

 今回、同研究所は、総務省から委託を受けて行った研究「ユビキタスネットワーク制御・管理技術の研究開発」の一環で、通信混雑を回避する技術を新たに開発したもの。PAN(Personal AreaNetwork)と呼ばれる携帯電話を中心とする小規模ネットワークを制御することで干渉を防ぐ。

 まず、携帯電話は無線利用状況をスキャンし、他の機器と干渉しない無線チャネルを探して利用する。万一全ての無線チャネルが利用されている場合は、携帯電話は他の携帯電話と調整を開始し、通信許可する時間帯を自動的に決定して使用するしくみ。通常は同じ場所に携帯電話などの機器が50以上存在すると通信品質が劣化するが、新技術を使うことで400程度の機器が集まっても安定した通信ができるという。

KDDI研究所=http://www.kddilabs.jp/

提供:BCN