GNOME Doのもたらすアプリケーション/ファイル検索の新境地

 近年、Linuxシステムで使用可能なアプリケーション数が爆発的に増加しているが、メニュー画面を何層も何層も移動させられるのはお世辞にも楽しい作業とは言えない。また同様に、頻用するファイル群を一箇所に集めておくとアクセスが便利になるが、こうした手法もファイル数が増えるに従い目的のファイルを探し出すのは徐々に難しくなっていく。その点Macユーザの場合は、Blacktree Softwareから提供されているQuicksilverというMac OS X用ユーティリティを使うことで、ファイルやアプリケーション名の先頭数文字を入力するだけで一致度の最も高い候補をランチャ上にポップアップさせることができ、非常にうらやましい限りだ。もっともこのQuicksilverも最近オープンソース化されているため、Linuxユーザとしてはその早期の移植を歓迎したいところだが、実はこの種のクローンツールは、KDE用のKatapult(本サイトでも昨年7月に紹介)およびより新しい GNOME Do という2つが既に存在しているのである。

 GNOME Doのインストールは同プロジェクトのWebサイトからソースコードを入手することで行えるが、Ubuntuユーザの場合は、開発者のDavid Siegel氏が個人的に運営しているパッケージリポジトリを各自のAPTパッケージマネージャに登録しておくという方法も使える。なおGNOME Doを使用するにはMonoおよびCairoが必要である。起動方法は、インストール終了後にコマンドラインから「gnome-do &」と入力すればよい。

 起動後のGNOME Doはバックグラウンドで実行されているため、同ツールでアプリケーション/ファイルを呼び出す場合、まず最初にSuper-SPACEキーでフォアグラウンドに移動させておく必要がある。なおここで言う“Super”キーは一般のPC用キーボードにおいてWindowsキーに割り当てられており、前述の操作はこのキーとスペースバーを同時に押し下げればよい。これにより画面中央に操作ウィンドウがポップアップされるので、ここで起動させたいアプリケーション名の先頭数文字を入力すると、該当する候補がGNOME Doにより順次提示されていく。後は目的のアプリケーションが表示された時点でEnterキーを押すだけである。

 目的とするアプリケーションが画面上に表示されていない場合、下矢印キーを押すとGNOME Doが該当候補の一覧をドロップダウンリスト形式で表示してくれる。候補間の移動は矢印キーで行えるので、該当するアプリケーションを選択してEnterキーを押せばいい。

 GNOME Doポップアップウィンドウの構成は、キーボードで入力した名前に一致する最有力候補を示す左側のペインと、Enterキーを押した場合に実行される動作を示す右側のペインに分かれている。例えばアプリケーションを選択した場合、その動作は常にRunとなる。

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GNOME Doで「moz」と入力した状態

 GNOME Doで探すことができるのはアプリケーションだけではなく、ファイル、フォルダ、Firefoxブックマークの検索にも対応している。ただしこれらのアイテムについては、選択時に行える動作が複数存在する場合もあるはずだ。例えばフォルダの場合、Nautilusウィンドウ上でディレクトリの1つとして開くのか、あるいはターミナルウィンドウ上でカレントのワーキングディレクトリとして開くのかという操作が考えられる。

 こうした操作の選択は、Tabキーを押して右側ペインにフォーカスを移動してから、下矢印キーで実行可能な処理を選択する(左側ペインにおける下矢印キーでの候補選択と基本的に同じ)という2つのステップで行う。

 GNOME Doはプラグインによる機能拡張にも対応している。もっともSiegel氏が現在公開しているのは、Evolution、Pidgin、Thunderbird、Rhythmbox用の4つのプラグインだけでしかない。このうちEvolutionおよびThunderbird用プラグインは、それぞれのアドレス帳検索をGNOME Doで行うためのものである。Pidginプラグインは、Pidginの登録コンタクトを検索するだけでなく、検索した相手との間でチャットを開始することもできる。Rhythmboxプラグインの場合は、Rhythmboxミュージックプレーヤを操作できるようになっている。これらのインストール法を簡単に解説したテキストファイルが同一ディレクトリに用意されているが、具体的な操作は、使用するプラグインを~/.do/addinsディレクトリにコピーしてから、GNOME Doを再起動するだけである。

 Siegel氏のGNOME Doサイトはごく簡単な構成となっており、より詳細な解説やバグトラックおよびユーザ間の意見交換などはLaunchpadプロジェクトのページで行われている。