Linux Foundationに新CTOが就任

 本日(7/25)、Linux FoundationはMarkus Rex氏の新CTO(最高技術責任者)就任とLSB(Linux Standard Base)イニシアチブをはじめとする標準化および技術的イニシアチブの設立を発表した。

 電子メールによる取材のなかで、Rex氏は次のように述べている。Linuxを使い始めたのは1992年。1999年にSUSEに入社、その5年後に同社がNovellに買収されるまで設計業務に携わる。買収後はSUSE Linuxのバイスプレジデントと統括マネージャ、Novellのオープンプラットフォーム・ソリューション・グループのCTOを歴任。

 Linux Foundationに関与していた時期もある。「過去3年間はLinux Foundationの前身であるFSG(Free Standards Group)とOSDL(Open Source Development Labs)の双方で理事会の役員、その後今まではLinux Foundationの役員だった。何年間もLinuxの標準化の取り組みを追ってきた。また、SUSEとNovellでは常にプロダクトを検証してLSB認証の取得をプロダクトの要件とするよう、積極的に指示してきた」(Rex氏)

 Rex氏の目の前にある第一の仕事は、LSBイニシアチブを進めることだ。LSBの計画について尋ねたところ、Rex氏は自身の目標の1つを「アプリケーションベンダによるLSBの採用を増やすこと」と答えている。LinuxベンダによるLSBの採用は「順調」だが、「今なおISVはもっと広い範囲のものを求めている。そうしたものを提供して、LSB準拠のアプリケーションを増やせるようにしようと考えている」と彼は言う。

 そのために、Linux Foundationは「LSBにライブラリとインタフェースを追加する必要がある。そうすれば、より多くのアプリケーションのユースケースがLSBによってカバーできる」とRex氏は話す。

 「我々は開発者向けのツールやマニュアルの量と範囲を拡大する必要があり、また一致性の検証を本当に簡単なものにしなければならない。ロシア科学アカデミー(Russian Academy of Science)と協力して最新のテストフレームワークを作り上げるという我々のプロジェクトはその方面での重要な一歩であり、その他の領域での発展の基礎になる」

 LSBはきわめて重要だとRex氏は言う。「かつてのUnixのように、Linuxがばらばらになってしまうのを避けなければならない。LSBは、そのための重要なコンポーネントだ」

 CTOとしての彼の仕事は、「Linux Foundationのすべての技術的なプロジェクト」で采配を振るうことであり、そこにはLSBはもちろんオープンプリンティング・ワークグループのような活動も含まれるという。また「Linux Foundation(LF)メンバーやカーネルコミュニティを代表するLFのTechnical Advisory Boardとの技術的な最上位インタフェース的な立場になる」とも話している。

 Linux FoundationのCTOは在職期間が限られており、Linux Foundationの発表によると、2008年に任期を終えた時点でRex氏はNovellに復帰する予定だという。

 なお、前任のCTOであるIan Murdock氏は3月にSun Microsystemsに加わり、同社のOpenSolarisをLinuxに近づけようとするProject Indianaに携わっている。

Linux.com 原文