Ubuntuの設定を変えるユーティリティー、SUM

 たとえUbuntuの大ファンであっても、十年一日のGRUBやブート・スプラッシュ・スクリーンには飽きてくる。そんなときは、少し設定を変えてみるのもよいかもしれない。もし冒険してみる気があるなら、Jimmy Ronnholmの手になるユーティリティーStartUp Manager(SUM)を試してみてはいかがだろうか。

 このツールを使うと、Ubuntuのブートローダーとスプラッシュ・スクリーンの設定を変えることができる。(お詫び)当初、このユーティリティーの作者をGlenn Van Loonと紹介したが、これは誤り。確かに同名のプログラムを書いてはいるが、このユーティリティーとは別物だった。

 SUMをインストールする方法は2通りあり、どちらも簡単だ。ただし、お手元のUbuntuのバージョンが対応していることを確かめておくこと。第1の方法では、所定のリポジトリーを/etc/apt/sources.listに追加し、apt-getまたはSynapticを使ってstartupmanagerパッケージをインストールする。第2の方法では、SUMのWebサイトからstartupmanagerパッケージの.debファイルをダウンロードし、dpkgを使ってインストールする。ただし、SUMをインストールして使ってみようと思う場合は、プロジェクトのメイン・ページにある「***WARNING***」の部分をよく読み検討すること。場合によっては、システムが利用不能になることがあるからだ。私の場合は――、壊してしまったようだ。

 それでは、そこまでしてSUMをインストールするメリットはあるのだろうか。SUMのWebサイトによれば、SUMでできることはたくさんある。まず、次の設定を変更できる。

GRUBのタイムアウト、デフォルトのブート・タイトル、ブートローダー・メニューのカーネル数、memtest86用ブート・オプションの有効/無効、「rescue mode」用ブート・オプションの有効/無効、デフォルトのブート・オプションを自動的に変更されるようにするかどうか、ブートアップ時の解像度と色深度、GRUBメニューの色と背景、USplashのテーマ

 それだけではない。さらに、レスキュー・ディスケットの作成、GRUBとUSplashのさまざまなメニューと画像に関する表示の変更、それらのテキストの変更、GRUBのパスワード保護、ブート・オプションのパスワード保護、新しいテーマと背景のインストールも可能だ。

コマンドラインからのSUMのインストール

 SUMのWebサイトに示されたインストール手順に従ってコマンドラインからインストールしてみた。まず、プロジェクトのサイトからstartupmanager_1.03.-1_all.debをダウンロードし、次のように入力する。

sudo dpkg -i startupmanager_1.0.3-1_all.deb

 手順に書かれているとおりエラー・メッセージが表示されるので、次のように入力する。

sudo apt-get install -f

 これでImageMagickグラフィックス・スイートをインストールして依存性問題を解消してから、SUMを構成する。

 次に、GRUBのスプラッシュ・イメージを追加した。これにはapt-getを使う。

sudo apt-get install grub-splashimages kubuntu-grub-splashimages

 そして最後に、新しいUSplashイメージを追加したのだが、このときはGUIを使ってみた。Synapticを用い、USplashを検索し、見つけた新しいイメージをインストールする。

SUM の試用

SUM User Interface

 GRUBとブートローダー・メニューのオプションをいろいろ変えてブートして、その結果を確かめてみた。はじめは順調だったが、USplashの設定を変更したところでつまずいた。SUMで変更しても「利かない」のだ。

 SUMの解説を見ても埒があかないので、SourceForge.netからダウンロードしたFingerprint Usplash Themeに付属するREADMEファイルを詳しく調べてみたところ、そこにはテーマの有効性を左右すると思われる追加情報とコマンドが書かれていた。

 たとえば、ブート時に画面の解像度を1024×768にリセットする必要があること。また、ブート・スクリーンを書き換えるコマンド「sudo update-initramfs -u」も見つけた。このお陰で、Ichthuxテーマを適用することができた。おそらく、テーマのインストールとSUMのインストールの手順をごっちゃにしたのがいけなかったのだろう。

 Ichthuxのスプラッシュ・スクリーンに変更することはできたものの気に入らなかったので、Fingerprintを試してみることにした。が、私の手には負えないことがわかった。Fingerprintテーマをインストールして「update-initramfs -u」を実行したところ、深刻な事態に陥ってしまったのだ。

 まず、Fingerprintスプラッシュ・スクリーンが表示された後、システムのブート中に表示されるテキストを画面に流そうと思いALT-F1を押したら、システムが固まってしまった。そこで、一旦電源を落として再度ブートし、ALT-F1を押さずに様子を見てみた。しかし、結果は同じで、やはりシステムは固まってしまった。

 そこで、再度ブートし、GRUBメニューからリカバリー・オプションを選び、rootで「apt-get remove startupmanager」を実行した。これでシステムが固まることはなくなり、Fingerprintスプラッシュ・スクリーンが表示された後も通常通りに進行するようになった。このスプラッシュ・スクリーンは私が求めていたものに近い。というわけで、これにて一件落着。

まとめ

 StartUp Managerには確かに実用的な利点がある。特に、GRUBのブート設定を変更する際のGUIは整っていて使いやすい。しかし、このプロジェクトの主な目的は楽しみにあると思われる。技術のある利用者がデフォルトのスプラッシュ設定を変更したり、自分のマシンにインストールしたUbuntuを自分好みにしたりするためのものだ。SUMをインストールし、スプラッシュ・テーマを設定して管理するために費やす労力がそれによって得られたものに見合っているかどうかは、その人の判断であり、その人が持つスキルによる。私の場合は徒労に終わったが、その有り様は人それぞれだろう。

NewsForge.com 原文