オラクル、O/Rマッピング・フレームワーク「TopLink」をEclipseに寄贈--オブジェクト永続化プラットフォームの新プロジェクトも主導

 米国オラクルは3月6日、O/R(オブジェクト/リレーショナル)マッピング・フレームワーク「Oracle TopLink」を、オープンソース・コミュニティであるEclipse Foundationに寄贈すると発表した。同社は、オブジェクト永続化サービス・プラットフォームの開発プロジェクトを同コミュニティ内で立ち上げたことも明らかにしている。

 オラクルは今回の発表を、カリフォルニア州サンタクララで開催中の「EclipseCon 2007」コンファレンス(3月5日-8日)で行った。同社のFusion Middleware担当副社長、リック・シュルツ氏によると、オラクルは先ごろ、Eclipse Foundationでの会員レベルを上げ、ボード・メンバーおよび戦略開発者となった。

 オラクルは、 Eclipse Foundationの設立時から参加しているメンバーである。同社は現在、JSF(JavaServer Faces)、Dali JPA(Java Persistence API)、BPEL(Business Process Execution Language)のそれぞれに関連した3つのプロジェクトを主導している。

 オラクルが同コミュニティに寄贈したTopLinkは、オブジェクトピープルの商用製品として1994年に登場したO/Rマッピング・フレームワークだ。その後、オブジェクトピープルはウェブゲインに買収され、オラクルは2002年にTopLinkをウェブゲインから取得した。

 TopLink のオブジェクト・パーシスタンス(永続化)アーキテクチャには、O/Rマッピングとオブジェクト/XMLマッピングのほか、JPAやJAXB(Java API for XML Binding)、JCA(Java Connector Architecture)などのJava APIを介した情報システムへのデータ・アクセスが含まれる。

 オラクルはすでに、TopLinkの一部である O/Rマッピング・コンポーネントを「TopLink Essentials」としてオープンソース化している。これが開発者コミュニティに非常に歓迎されたことから、オラクルはTopLinkのソースコードすべてをEclipse Foundationに寄贈することにしたと、シュルツ氏は説明する。

 また、オラクルは同日、「EclipseLink」と称するプロジェクトをEclipse Foundation内で立ち上げたことも発表した。EclipseLinkは、ユビキタス・ネットワーク基盤「OSGi(Open Services Gateway initiative)」やJava対応の開発環境で用いる一連のオブジェクト永続化サービスを提供する「オラクル主導の最初のEclipseランタイム・プロジェクト」(シュルツ氏)で、TopLinkのコードをベースに進められる予定だ。

 シュルツ氏は、 TopLinkとEclipseLinkのライバルとして、アパッチ・ソフトウェア・ファウンデーション(ASF)の「Hibernate」と「OpenJPA」を挙げた。「ASFの両プロジェクトは、どちらかと言えばO/Rマッピングに限定されたものだ。TopLinkや EclipseLinkは、より幅広い機能を提供する」と同氏は語っている。

(チャイナ・マーテンス/IDG News Service ボストン支局)

米国オラクル http://www.oracle.com/

提供:Computerworld.jp