女性にオープンソースの門戸を開く

メーリングリストでの思慮足らずの発言から、あからさまに下品な発言に至るまで、男性中心のオープンソース・ソフトウェアの世界には女性の居場所はないという認識に対し、女性は常に闘っている。しかし、その状況に変化が生じるかもしれない。

GNOME FoundationのSummer Outreach Programのような、女性開発者の支援を目的としたプロジェクトの立ち上げや、LinuxChixDebian Womenのような女性中心のLUGの登場に見られるように、大半のコミュニティ・メンバ(男女を問わず)が納得するような形で、女性が相応に尊重されるようになってきたのである。

コンピューティングの世界での女性の不平等感は、コンピュータの誕生以来ずっと存在していた。長きにわたって、コンピューティングは「男の世界」と認識されており、女性の関与は積極的には推進されてこなかった。Free/Libre/Open Source Software: Policy Support(FLOSSPOLS)の2002年のレポートによると、このオープンソース・コミュニティのメンバの性別を調査した結果、女性の割合はわずか1.5%だったそうだ。

しかし、公然の性差別だとして男性だけを一方的に責めるのは、不正確でアンフェアだ。「How to encourage women in Linux」(女性をLinuxに招くためのHOWTO)という文書を発表しているLinuxカーネル開発者のVal Hensonさんによると、女性の側に起因する問題もあるという。たとえば、自信が欠けていること、コンピューティングの世界に通常はあまりない社交性を求める傾向が強いこと、オープンソース・コミュニティの競争性に対する嫌悪感などだ。

朗報なのは、女性が直面している障害は、内的要因にせよ外的要因にせよ、いずれも克服できるということだ。

女性が進む道

Software Freedom InternationalのプレジデントであるPia Waughさんは、コミュニティに関与する方法を探ることが第1歩であり、そのための道はいくつかあると語る。「Debian Women、GNOME WomenFedora WomenUbuntu Womenのような、女性向けの活動は、参加の第1歩としてうってつけだと思います。素晴らしい指導者に出会ったり、情報を得たりできますし、FOSSの広大な世界に踏み込んでいくための足がかりにもなります。これらのグループは、我々のコミュニティを分断するものではありません。参加のための新たな道を開くものです。そして、道の数が増えれば増えるほど、そこからやって来る人も増えていきます」。

「他にも、地元のFOSSユーザ・グループに加わったり、プロジェクトに直接参加したり、必要な活動に自発的に取り組んだり、既にFOSSを使用している知り合いに声をかけたり、積極的に関与して手を下したりなど、いろいろな方法が考えられます。一番いいのは、まずはFOSSを使い始め、楽しんでみることです。そうすれば、関与の方法が見つかります」。

Debian Womenプロジェクトのリーダーの1人であるHanna Wallachさんも同様の意見だ。「どのように貢献したいのか、そして参加によって何を得たいのかを考えてみましょう。もっと現実的なレベルで言うと、バグ・レポートをファイルする、バグ修正を手伝う、IRCでの議論に参加する、プロジェクトのメーリングリストを購読する、などがあります。プロジェクトの開発者コミュニティについて理解を深めましょう。協力したいプロジェクトに女性グループがある場合は、連絡を取って、参加についてアドバイスを受けましょう」。

オープンソース・コミュニティに加わった女性は、他の女性にも門戸を開いておけるよう、いろいろな形で力になることができる。Wallachさんはこう語る。「現在のフリー・ソフトウェアに欠けている重要な点の1つが、手本となるような女性がいないことです。他の女性の手本になることは、女性の参加を促すための最も優れた方法の1つです。それに向けた具体策はいくつもあります。たとえば、コンファレンスやLUGで発表の場を持つ、開発者コミュニティと協力して、フリー・ソフトウェア開発への参加を希望する女性が直面する問題への理解を深める、女性向けの指導教育プログラムに参加する、などです」。

「目立ちましょう!目立っている素敵な女性が増えるほど、新しい女性の参加も促進されます。プロジェクトの環境を、すべての参加者にとって前向きなものにして、知り合いや新規メンバーの参入を促しましょう。目立つということだけでも、その効果が現れ、コミュニティ全体にとって逆風となるネガティブなイメージが消え去るきっかけになると私は思います」。

「究極的には、FOSSは、大きなことを成し遂げる可能性を、すべての人に与えるものです。FOSSの価値の中心にあるのは、自由であり、可能性であり、協力と自由に主眼を置いたグローバルな環境で力を合わせて作業するということです。我々を取り巻く世界における政治や社会規範ではありません。FOSSでは、すべての人が大きな可能性を手にできます。実力主義だからです。大きなことをするための大きな可能性があります。私が手にした大きな可能性やチャンスはすべて、FOSSへの参加によって得られたものだと、私は強く感じています。その点を念頭に置いて、FOSSで得られる可能性を他の人にわかってもらう必要があります。そこで、さまざまなバックグラウンドからの新規メンバの参入を歓迎するべく、各自の取り組みが必要なのです」。