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「New New Internet」カンファレンスは本当に新しいのか

これは決して作り話ではないのだが、確かに「New New Internet」という名のカンファレンスが9月にワシントンDCの近くで開催された。私自身もこの会議に(交通費は主催者側の負担で)参加してきたのだから間違いはない。律儀にも私は多数の基調講演を聞き、参加者の大半を占めているように見えた、Web 2.0絡みの起業家やその志望者、そしてベンチャーキャピタリストたちとの交流を持った。講演の一部はビデオにも収めてあるので、カンファレンスの様子の片鱗を伺い知ることができるだろう。しかし結局、私には「今回の内容で本当に目新しいものがどれほどあったのだろうか」という疑問が残った。このカンファレンスで「Web 2.0とはいったい何か」という問いかけとその答えを何度も耳にしたが、それでも漫画家のBill Amend氏が9月22日付けのコマ割り漫画Foxtrotに記していたWeb 2.0の定義が私にとってはすべてのメディアを通して最高のものに思えてならない。

Amend氏は、Web 2.0というものの全貌は、一切の労力や資金を自ら提供しなくても丸儲けできるように、他人の力を借りて無料の素晴しい「コンテンツ」で自分のサイトを一杯にすることではないか、と指摘している。Web 2.0の世界では、マッピングユーティリティの開発や管理を行なうことはない。その代わりにGoogleマップを当てにした「マッシュアップ(あちこちから入手した情報を混ぜ合わせて提供すること)」を行う。独自のコンテンツは作らずに、どこか他のサイトへのリンクを提供してくれる読者からの投稿に頼るわけだ。

何をするにも必要な実際の作業 ― この場合はコンテンツ制作 ― にはほとんど言及せずに元になる仕組みの有用性や収益性ばかり説明しているという点で、Web 2.0全体からはある種のマルチレベルマーケティング(マルチ商法)の雰囲気さえ感じられる。

ひとつ確かなのは、Web 2.0で成功した事例や人物がすでに存在することだ。ここにJobster.comのCEO(最高経営責任者) Jason Goldberg氏の発表の一部を撮影した短いビデオクリップを用意してある。

なんともすごい盛況ぶりだ。だがその熱狂の向こう側にあるのは、基本的には従業員と雇用主の双方がお互いについての情報を共有できるブログに過ぎない。それなら何の説明もいらないはずだ。

皮肉好きな人々は「否定的な情報操作のないFuckedCompany(企業の倒産やリストラに関する噂を扱ったサイト)のようなものだろう」と言うかもしれない。

確かにそうなのだが、それにも関わらず雇用主がスポンサーについている。発表後に個人的に話をした際、Goldberg氏は何らかの検閲を行うことはないが「(スポンサーである企業を)中傷するような」コメントはJobsterから削除される可能性があるという点を認めていた。このことを聞き出すまでには一連の詮索的な質問が必要だった。それもMicrosoftと密接な関係を持つ著名な広報会社Waggener-Edstromの担当者がGoldberg氏からこうした情報を聞き出そうと目を光らせていた状況でのことだった。こうして私の中では求職者向け情報源としてのJobsterの評価は下がったわけだが、自分はどう見ても白髪頭の懐疑論者であって、Jobsterが企業スポンサーのために呼び寄せようとしている純真な若者ではない。だから私が求職者にとってのJobsterサイトの価値をどんなに低く評価しても、Jobsterはきっとサイトの所有者のために莫大な金を生み出すことになるだろう。

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Googleの役員Rajen Sheth氏は、プレゼンテーションの中で自分自身を飾り立てるようなことはまったくなく、「素晴しきGoogle! Google万歳!」のようなメッセージを表に出すこともあまりなかった。彼は「Googleのサービスを利用したビジネスの構築方法」や「ユーザが使ってみたいと思うであろうGoogle内部の処理」といった重要な情報に集中して発表を行っていた。このSheth氏の講演内容はビデオに記録してある。

SAICHart Rossman氏もまた聴衆にとって活用可能なアドバイスの提供に重点を置いた発表を行っていたが、その内容の大半は特にWeb 2.0とサービス指向アーキテクチャ(SOA)との関係についてのものだった。SAICの名は主に、極秘の国防プロジェクトに携わることが多い米国政府の契約業者として以前から知られている。New New Internetカンファレンスの責任者であるJeremy Geelan氏は、これまではあまり目立たない企業だったSAICがこれほど熱心にWeb 2.0の人気に飛び乗ろうとしていることに少し驚いていると話してくれた。しかし、SAICはカンファレンスの主要スポンサーであり、Rossman氏が取り上げていた話題には興味深いものが数多くあった。

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SAICはもう1つ関心を引く貢献をしている。これもHart Rossman氏によるものだが、カンファレンスの前日にSAIC本社で「アンカンファレンス(参加者主導の非公式な会議)」が開催されたのだ。こちらの短時間のビデオ映像ではRossman氏が「アンカンファレンス」の概念を説明している。

TechCrunchの創立者で運営者でもあるMichael Arrington氏は、このNew New Internetカンファレンスの基調講演者の中で最もその役割にふさわしい人物で、飾り立てたレンタカーで会場のリッツカールトンホテルに乗り付けていた。TechCrunchはインターネット関連の新しい製品や会社の分析および批評を専門に行うウェブログであるため、彼はインターネット起業家やその志望者で一杯の聴衆にとっては間違いなく申し分のない講演者だった。私は彼の発表を撮影しなかったのだが、それは発表内容のほとんどが我々NewsForgeの読者並みの技術通であれば既に知っている(またはTechCrunchを読めばすぐにわかる)ことだったからだ。そうは言っても、このカンファレンスの対象はそうした技術に詳しい人々ではなく、本稿の読者がすでに考えたり実践したりしていることを学びたいと思っている人々だった。

ここでちょっと考えてみよう。Slashdotには1997年の創設時からWeb 2.0の特性が数多く備わっており、1999年以降はこれらの機能がNewsForgeでも共有されている。またSourceForge.netは、さらなるアップデートと機能追加を行えばすぐにでもWeb 3.0、場合によってはWeb 4.0にもなれるくらいに、現時点で十分にWeb 2.0の要件を満たしている。改めて言わせてもらうが、こうしたサイトやほかのOSTG(Open Source Technology Group)サイトを頻繁に利用している人々はこのカンファレンスのターゲット層ではなく、このカンファレンスの400名分の参加チケットが完売したということは、OSTGサイトの読者層の参加は求められていなかったということだ。だがインターネット関係者はあなたを求めている。発表者の大半が随所で認めていたように、このWeb 2.0はあなたが開発または普及に携わっているオープンソースソフトウェアがベースになっている。また一部の発表者は、オープンソースに携わる人々がいなければ、彼らはビジネスを始めることができないだろうとも述べていた。

何度聞いても嬉しい話である。なぜなら、オープンソースの世界で評判を得た人々にはより多くの仕事とコンサルティングの機会が得られることを意味しているからだ。オープンソースの観点から見れば ― たとえ自分から参加しようと思う理由はなくても ― New New Internetカンファレンスのようなイベントで最も素晴しいのはこの点だろう。

最後に、このカンファレンスには参加したかったのにそれが果たせなかったという人のために補足しておく。TheNewNewInternet.comにはカンファレンス参加者によるブログエントリが数多く存在する。また(私が聴衆の視点で撮影したわずかな映像とは違って)プロの撮影によってプレゼンテーションの全編を収めたビデオがStreamCenterからわずか245ドルでダウンロードできる。

NewsForge.com 原文