CLIマジック:フォーミュラ1ファンに新しいツール

コマンドラインといえば古臭いシステムツールで、ブロゴスフィアどころかインターネットすらなかった時代からコーディング経験を積んできた根っからのUnixギークが作るものと思っている人も多いだろう。それは大きな間違いだ。今週のCLIマジックコラムで紹介するのは、フォーミュラ1ファン向け(NASCARファンには悪いが)の新しいCLIツールだ。Live-F1というツールで、世界各地で行われるF1イベントの決勝、予選、フリー走行の情報をリアルタイムに自分のLinuxターミナルウィンドウに取り込むことができる。

Live-F1はフリーソフトウェアだが、公式Formula 1Webサイトで登録(無料)が必要だ。これは当然のことで、というのはこのサイトにあるLive Timing機能(Java対応ブラウザが必要)の代わりとなるのがこのLinuxクライアントだからだ。

このツールの最新リリースのtarballをダウンロードし、圧縮解除してlive-f1-versionサブディレクトリに移動する。READMEに、コンパイルの必要条件(cursesライブラリとneonライブラリの開発バージョン)が記載されている。また、INSTALLには、同じ内容がさらに詳細に説明されている。./configure;make;make installを行えば、コマンドラインでlive-f1と入力するだけでこのプログラムを実行できるようになる。

Live-F1を最初に実行するとき、Formula1.com Webサイトのアカウント情報の入力が求められる。それ以降は、直接ライブ情報画面になる。ただし、”ライブ”かどうかは、その時点でレースが行われているかどうかによる。開催中のイベントがないときは、最後のイベントの情報を示す画面が表示される。

例として、6月10日(土)と6月11日(日)のLive-F1画面を見てみよう。1番目の画面は土曜日の最終予選のタイムを示している。

P    Name           Period 1 Pediod 2 Period 3 Sec 1 Sec 2 Sec 3 Ls
 1  1 F. ALONSO      1:21.018 1:20.271 1:20.253  25.1  34.7  20.3 24
 2  3 K. RAIKKONEN   1:21.648 1:20.497 1:20.397  25.5  34.6  20.2 24
 3  5 M. SCHUMACHER  1:22.096 1:20.659 1:20.574  25.2  34.9  20.3 22
 4  6 F. MASSA       1:21.647 1:20.846 1:20.764  25.4  34.8  20.4 21
 5  2 G. FISICHELLA  1:22.411 1:20.594 1:20.919  25.5  34.9  20.4 21
 6 11 R. BARRICHELLO 1:22.965 1:20.929 1:20.943  25.6  34.8  20.4 24
 7  7 R. SCHUMACHER  1:22.886 1:21.043 1:21.073  25.8  34.9  20.2 28
 8  4 J. MONTOYA     1:22.169 1:20.816 1:21.107  25.6  34.9  20.4 23
 9 16 N. HEIDFELD    1:21.670 1:20.629 1:21.329  25.4  35.2  20.5 28
10 17live-f1: key frame request failed: 200 OK
11 14 D. COULTHARD   1:22.424 1:21.442         ~^��U1�~R�_~C�� .5 12
12 10 N. ROSBERG     1:23.083 1:21.567           25.6  35.1  20.5  9

14 15 C. KLIEN 1:22.773 1:21.990 25.8 35.2 20.8 12

17 9 M. WEBBER 1:23.129 26.3 35.8 20.7 3

19 12 J. BUTTON 1:23.247 26.2 35.9 20.9 3

22 8 J. TRULLI 27.1 37.3 22.0 2

10位の行にエラーメッセージが出ており、11位のドライバーのタイムは文字化けしている。トラックからのリアルタイムデータなのでこうしたことも発生する。

2番目の画面は、その翌日行われたイギリスGPの最終結果だ。

 P    Name            Gap  Int Time     Sector 1 Sector 2 Sector 3 Ps                      Lap  60
 1  1 F. ALONSO       LAP   60 1:24.798 26.4     36.2     22.1      2
 2  5 M. SCHUMACHER  13.9 13.9 1:26.187 27.1     37.0     21.9      2
 3  3 K. RAIKKONEN   18.6  4.7 1:22.722 26.3     35.7     20.6      2
 4  2 G. FISICHELLA  19.9  1.3 1:23.060 26.1     35.9     20.9      2
 5  6 F. MASSA       31.5 11.5 1:24.725 26.7     36.6     21.3      2
 6  4 J. MONTOYA     64.7 33.2 1:26.372 27.6     36.8     21.9      2
 7 16 N. HEIDFELD    71.5  6.8 1:23.863 26.7     36.0     21.1      2
 8 17 J. VILLENEUVE  78.2  6.7 1:24.432 26.9     36.3     21.2      2
 9 10 N. ROSBERG     79.0  0.7 1:23.479 26.4     36.0     20.9      2
10 11 R. BARRICHELLO   1L   1L 1:26.449 27.2     37.4     21.7      2
11  8 J. TRULLI        1L  7.9 1:29.002 27.9     39.2     21.8      2
12 14 D. COULTHARD     1L 20.2 1:24.889 27.2     36.3     21.3      2
13 20 V. LIUZZI        1L 10.7 1:25.932 27.4     36.9     21.5      1
14 15 C. KLIEN         1L  5.3 1:27.287 27.9     37.5     21.7      2
15 19 C. ALBERS        1L 13.7 1:25.192 27.2     36.6     21.3      2
16 18 T. MONTEIRO      2L   1L 1:29.211 28.7     38.7     21.6      2
17 22 T. SATO          3L   1L 1:28.941 27.8     39.2     21.8      2
18 23 F. MONTAGNY      3L 25.8 1:27.808 28.0     37.6     22.0      2
   12 J. BUTTON       52L  49L          26.7     36.9     STOP
   21 S. SPEED        59L   7L RETIRED                              1
    7 R. SCHUMACHER                     STOP
    9 M. WEBBER                         STOP

決勝が行われた現地時間正午は、ここでは午前6時。わたしにとっては日曜の早朝だ。そうでなければレース最中のライブ情報を示すLive-F1画面をお見せできたのに残念だ。

F1ファンなら、コマンドラインに関する記事を読んでいても不思議はない。F1もコマンドラインも、削ぎ澄まされた超高速のパワフルなマシンを愛する人を魅了するのだから。

NewsForge.com 原文