EclipseにOpenAJAXフレームワークのコードが組み込まれる

Eclipse Foundationは、新しいAJAX Toolkit FrameworkをEclipseのWeb Tools Platform (WTP)プロジェクトに組み込むことに関する初期承認を与えた。このフレームワークには、DojoやZimbraなど多くのAJAX専用ランタイムプログラム向けのIDE構築ツールを提供すると考えられている”personality builder”が含まれている。AJAX Toolkit Frameworkの開発活動の原動力となっているIBMは、OpenAJAX立ち上げのイニシアチブを取り、IBM外部からの開発参入を集めようと考えている。

David Boloker(IBMの新興技術担当のCTO)はOpenAJAXプロジェクトに非常に熱心で、このプロジェクトはブラウザサイドとポータルサイドの長年の開発成果の頂点となるものだと述べている。「長い間、私たちは話し合ってきました。1993年には出版の方法論で始まり、次にE-コマースがあり、そしてブログやWikiが誕生しました。しかし人々はずっと高品質のユーザーインターフェイスをPCにもたらす方法を求めていました。彼らがしたくないのは、サポートの部分です。彼らはPCにコードを持ち込みたくはありません。なぜならそれの面倒を見なければならないからです。GoogleがGoogle Mapsを始めた昨年の1月以来、コミュニティは活況を呈しています

Googleは、現在AJAX(Asynchronous JavaScript and XML)として知られている技術を使ったシステムを使用していた。AJAXは急速にWebアプリケーション開発業界の注目の的となった。Frank Gens(IDCの研究部門の上級副社長)はブログに「AJAXは、Web中心のコンピューティングというGoogleとIBMが共有しているビジョンを推し進める技術のカギとなっている」と書いている。

AJAXを使えば、頻繁にページのロードが必要になる従来のWebアプリケーションと比べ、よりPCアプリケーションに近い複雑なやり取りができるようになる。「調査結果によれば、ユーザーは2、3ページ読み込んだらうんざりして別のことを始めます」とBolokerはインタラクティブなWebページの利用者について述べている。「AJAXであれば、XMLファイルを送信することで、1つのユーザーインターフェイスであるかのようなページを実現できるのです」と述べ、AJAXのサイトではWebはプラグインを必要としなくなるので、インターネットはますますプラットフォームにとらわれなくなるのだと説明している。

では、なぜIBMはAJAXの開発を中心とするオープンソースのイニシアチブを取り始めたのだろう。Bolokerは「AJAXは一企業では実現しできなかったものであり、ムーブメントなのです。非常に明白なことは皆が既にツールキットを持っていたということです」と述べた。オープンソースコミュニティはAJAXの出現にすばやく反応し、多くの開発ツールキットを構築した。Bolokerによれば、70以上のツールキットがあるという。

OpenAJAX frameworkでは、Dojo、OpenRico、Zimbraの3つが標準でサポートされている。「なぜこの3つかというと、この3つが今日の実際の状況を如実に表しているからだと考えています」とBolokerは述べている。「開発者は2つの種類に分けることができます。1つ目はJavaやC++の開発者で、オブジェクト指向プログラミングを知っており、オブジェクト指向の環境を求めています。もう1つはHTMLやJavaScriptで長年開発してきたWeb開発者です。我々が作らなければならないのは、彼らがコードを書いたり、使ったり、デバッグしたりできる開発環境であり、複数のパーソナリティに対応できる環境なのです」

Bolokerによれば、IBMがこのフレームワークによってコミュニティに貢献したいと考えているのは、IBMがコミュニティの一員だと考えているからだという。「我々はEclipseコミュニティの開発者であり、Eclipseにフレームワークのコードが加われば、コミュニティのメンバーがその発展を手助けしてくれると願っています。コミュニティでは、さらに多くのツールキットをサポートしたいと考えており、我々が思いつかなかった機能を必要としているでしょう。我々は、Eclipseの中で、AJAXをめぐるまったく新しいコミュニティを構築したいと考えています。純粋に”どのようにAJAXを前進させるのか”という観点から考えているのです」

IBMがフレームワークをEclipseプラットフォームに組み込みたいという要求に対し、Eclipseが初期承認を与えたことで、問題は2月末までの審議という段階になった。Mike Milinkovich(Eclipse Foundationのエグゼクティブディレクター)は、開発者コミュニティからの異議はないものと考えており、「我々のプロセスは尊重されるべきですが、この提案は承認されるものと考えています」と述べた。そうなれば開発は本格的に開始されるだろう。「コミュニティに多くの進展があり、すべてが前進し始めることを願っています」とBolokerは述べている。

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