ファイルのリンク link

ファイルのリンク処理は、vfs sys_link(do_link)関数が行っている。リンク元のファイルのdentryとリンク先になるdentryを、lookup_dentry関数を用いて求めたあと、リンク元のファイルの親ディレクトリのiノードのlinkオペレーションを呼び出す。

ext2ファイルシステムの場合、ディレクトリのlinkオペレーションは、 ext2_link関数である。通常ファイルやシンボリックリンクファイルはlinkオペレーションを持っていない。(リンク処理で操作するのはディレクトリの情報)

  ext2_link(リンク元のファイルのdentry、移動先のディレクトリのiノード, 新しいdentry)
      if(ディレクトリなら) return エラー
      移動先のディレクトリに新しいdentryを登録(ext2_add_entry関数)
      ディレクトリエントリに、リンクするファイルのiノード番号を書き込む
      ◇ディレクトリブロックの遅延書き込み要求(mark_buffer_dirty関数)
      if(SYNC属性 ?) {
          ◆ディレクトリブロックの書き込み(ll_rw_block関数, wait_on_buffer関数)
      }
      ディレクトリブロックを読み込んだバッファの解放(brelse関数)
      リンクするフィアルのiノードのリンク数を1増やす(i_nlinkメンバ)
      ◇リンクするファイルのiノードの遅延書き込み要求(mark_inode_dirty関数)
      新しいdentryとファイルのiノードのリンク(d_instantiate関数)
img48.gif

問題点

  1. 親ディレクトリiノードのリンク数が遅延書き込みとなっている。 このタイミングでシステムクラッシュすると、実際より一つ少ない リンク数であるように見えてしまう。しかし、これはfsckにより 簡単に修復できる。 fsckをかけずに運用を行った場合、このファイルの削除すると 存在しなくなったファイルを参照するディレクトリエントリが 残ってしまい危険である。

(NIS)HirokazuTakahashi
2000年06月11日 (日) 22時29分57秒 JST
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