Linux Foundation、協業プロジェクトの推定経済価値は50億ドルとの調査結果を発表

 Linuxを推進する非営利団体Linux Foundationは9月30日(米国時間)、同団体が展開する協業プロジェクトの経済的価値に関する初の調査書を発表した。ソースコード行数、開発人月とコストから割り出した合計の経済価値は、50億ドルをゆうに上回るという。

 Linux Foundationの協業プロジェクト(Collaborative Project)は、業界やエコシステムが集まり、Linuxを生んだオープンソースモデルに基づく技術開発を進めることができる場所として同団体が用意する仕組み。「Core Infrastructure Initiative」や「Node.js Foundation」、「Open Container Project」、「Xen Project」など22の協業プロジェクトがあり、参加企業は500社以上にのぼる。数千単位の開発者が参加しているという。

 調査書「A $5 Billion Value: Estimating the Total Development Cost of Linux Foundation’s Collaborative Projects」は、Linux Foundationが持つこれら協業プロジェクトの経済的価値を測定するもの。ソースコードの数(SLOC)、開発に要する人月、開発コストなどを評価した。

 調査から、協業プロジェクトのソースコード数は1億1501万3302行に達していることがわかった。プロジェクトの協業開発のステップを追跡するためには、4万1192.25人月を要すると推定している。現在の協業プロジェクトのコードベースを再度作成しなおすためには、1356人の開発者による30年分の作業が必要になると計算している。これらから、協業プロジェクトにおける開発作業の経済的価値は合計で50億ドルを上回る、とまとめている。

 Linux Foundationの執行ディレクター、Jim Zemlin氏は、「大規模なコラボレーションのためのツールと結びつきがあれば、あらゆる問題を解決できる」とオープンソースのコラボレーションモデルの強みを語っている。

Linux Foundation
http://www.linuxfoundation.org/