PHP開発向けIDE「Zend Studio 10」が登場、モバイル向け開発機能を強化

 米Zend Technologiesは2月12日(米国時間)、PHP開発向けの統合開発環境(IDE)の最新版「Zend Studio 10」の一般提供(GA)を開始した。モバイルOS向けのアプリ開発機能やPHP 5.4のフル対応などを特徴とする。無料トライアル版を同社Webサイトで公開している。

 Zend Studioは、PHPアプリケーション開発用のIDE。Zendのアプリケーションサーバー「Zend Server」や開発フレームワークの「Zend Framework」と連携できる。コードの作成・編集、デバッグ、プロファイル、ユニットテスト、診断などの機能を持ち、開発作業を効率化できるという。

 バージョン10は、Zend Framework 1.12.1/2.1.0、PHP 5.3.21/5.4.11実行ファイルを含む。大きな特徴はモバイル対応で、モバイルアプリケーション開発に大きなフォーカスを置いた。jQuery、Apache Cordova(Adobe PhoneGap)などを統合、これらを利用して端末ネイティブな言語ではなく、HTML5、CSS3、JavaScriptなどを使ってモバイル向けのアプリケーションを開発できる。

 WYSIWYGエディタ、Webエディタ、クラウドベースのバックエンドとモバイル端末を接続するZend Framework 2のモジュール「Zend Server Gateway」を利用して、クライアントサイドに加え、RPCまたはRESTfulなサービスを容易に作成できる。Zend Serverを利用したオンプレミスでの実装に加え、クラウドでのアプリケーション公開も可能。Zend Developer Cloud、米Red HatのPaaSRed Hat OpenShiftなどのクラウド開発環境でアプリケーションを実装できるという。このほか、Zend Serverと連携してのデバッグモード、エミュレータなどの機能も提供する。iOS、Android、Windows Phoneなどに対応し、開発したアプリケーションは各OS標準のストアで提供できるものになるという。

 PHPエディタ側では、TraitウィザードなどPHP 5.4シンタックスのフル対応、変数やメソッドを提供するコンテキストベースのコンテンツ支援、PSR-2準拠のフォーマット設定などの機能が加わった。SVN、CVS、Git、GitHubなどとの統合も強化し、デバッグの速度も改善した。

 Zend Studio 10は、ZendのWebサイトより無料のトライアル版をダウンロードできる。有料版は期間限定で割引キャンペーンを実施しており、通常価格299ドルを50%割引の149ドルで購入できる。Studio 9からのアップグレード価格は129ドル。

米Zend Technologies
http://www.zend.com/