Mozilla、JavaScriptでFlashのオープンな実行エンジンを実装するプロジェクト「Shumway」を発表

 Mozillaは11月12日、新プロジェクト「Shumway」の立ち上げを発表した。JavaScriptによるFlash Player互換の実行エンジン開発を目指す。

 Shumwayは、米Adobe Systemsの「Flash」が使用するファイルフォーマット「SWF」を再生するためのオープンなWeb実装。JavaScriptおよびHTML5を使って実装されており、ネイティブコードを使わずにSWFファイルのレンダリングを行うことを目的としたHTML5の技術的実験、との位置付けだという。

 すでにMozilla Research内で開発が進んでおり、ファイルパーサーやラスタライザ、イベントシステムを含むコア、ActionScriptインタプリタ「AVM」などのモジュールが用意されている。Firefoxとの統合も視野に入れているとのこと。オープンなWebプラットフォームを進化させ、これまではプロプライエタリな実装でしか利用できなかったリッチメディアフォーマットを安全に処理できるようにするという。

 また、ランタイム実装が提供されていないプラットフォームに向けてSWFの再生を可能にするランタイムを提供することも視野に入れられている。SWFを利用するコンテンツは多数あるが、「Apple iPhone」など一部モバイルデバイスではFlash Playerが利用できない。SWFフォーマットサポートを提供することはポジティブな体験をもたらすだろうとのこと。

 プロジェクトのWebページでは、すでにShumwayを使ったライブデモや、次期Firefox(バージョン17)向け拡張などを入手できる。ライセンスはMIT License。

Mozilla
http://www.mozilla.org/

Shumway
http://mozilla.github.com/shumway/