グラフデータを格納・操作できるNoSQLデータベース「Neo4j 1.7」リリース

 Javaベースのグラフデータベース「Neo4j」の開発チームは4月20日、最新版「Neo4j 1.7」をリリースした。グラフで表現できるデータをそのまま格納して処理できるデータベースで、GPLおよびAGPLライセンスのオープンソース版 と、商用版が提供されている。

 グラフデータベースはノードおよびそのプロパティと、ノード間リレーションシップという構造で表現されるデータを格納するためのデータベース。Neo4jはJavaベースのグラフデータベースで、数十億単位のノード/リレーション/プロパティを単一のマシンで処理できるという拡張性や、ディスクベースのネイティブストレージマネージャ、オブジェクト指向のAPIなどを特徴する。

 プロジェクトはスウェーデンNeo Technologyの支援を受けており、GPLを採用する「Community」とおよびAGPLを採用しモニタリング機能を備える「Advanced」、オンラインバックアップや高可用性機能を備えた商用の「Enterprise」という3種類のエディションが用意されている。

 Neo4j 1.7では、Enterpriseエディションのキャッシュパラメータに「GCR」が追加された。キャッシュパラメータはオブジェクトキャッシュで実装するキャッシュを選択するもので、GCRは容量の大きなリクエストに対応するものとなる。スレッドセーフオペレーションで一定のメモリを直接管理し、小規模なフットプリント、高速な挿入/取得を特徴とするという。開発者によるとほかのキャッシュも十分有効だが、GCRは適切なチューニングによりさらに一貫したレスポンス性改善が見込めるという。

 このほか、Neo4j 1.4で加わったクエリ言語「Cypher」も強化され、クエリ内で数学関数を利用できるようになった。SSLサポートや性能も強化されている。

 最新版は各エディションともプロジェクトのWebサイトより入手できる。

Neo4j
http://neo4j.org/