多くの機能追加を含むRuby 1.9.2リリース

 Ruby開発チームは8月18日、最新版「Ruby 1.9.2」をリリースした。1.9系の最新版となり、多くのメソッドや新たなsocket APIなどが追加されている。

 Ruby 1.9.2では、IPv6をサポートしたSocket APIや、乱数生成アルゴリズムに対応したRandomクラス、エンコーディングが追加された。Timeクラス再実装による2038年問題の解消、$LOAD_PATHからカレントディレクトリの削除、特定の正規表現拡張、追加メソッドなども特徴となる。ibyamlをラップした新しいpsychライブラリも導入、syckの代わりとして利用できるという。

 また、絵文字系エンコーディングおよびその変換が追加された。変換表は一部に審議中のものが含まれるため、将来的に一部が変更される可能性もあるとのこと。移植性の問題から見送られてきたFloat::INFINITYやFloat::NANも新たに定義されるようになっている。

 Ruby 1.9.1とは非互換の変更点としては、正規表現で「\d」「\w」「\s」がASCII文字にのみマッチするように変更されるようになった。Unicode情報もバージョン5.2に更新されている。また、$LOAD_PATHからカレントディレクトリ(.)が削除された。これに依存していたコードについては、「require_relative」を用いて書き換えることが推奨とのこと。

 Ruby 1.9.2はRubyのWebサイトより入手できる。対応プラットフォームは、Debian GNU/Linux 5.0(IA32)。Windows(mswin32、x64-mswin64、mingw32)、Mac OS X 10.5(Intel)および10.6、FreeBSD 6以降、Solaris 10、Symbianなども動作検証済みという。

Ruby
http://www.ruby-lang.org/